表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/44


あれから、アレキサンドライト様の様子がおかしい。

私を見るとにっこり微笑んでくる。

おかしい。

絶対におかしい。


ゲームでは、悪役令嬢の私には笑いかけてくれなかったのに。


放課後の裏庭で、膝の上に黒猫のクロロを乗せながらアレキサンドライト様の様子を思い浮かべる。

最近のアレキサンドライト様は、微笑んでばかりだ。

それこそ、ゲームのヒロインとの高感度が70を越えたあたりのアレキサンドライト様に近い。


解せぬ。

なぜだ。


あれから、アレキサンドライトを見かける度に逃げ出す私。私に対して高感度が上がるはずもない。

まあ、アレキサンドライト様とは話してはいないが、ティーガとはよく話している。

というか、ティーガが夜になると必ず私の部屋に入ってくるのだ。そして、朝まで私の布団で寝ている。

逃げないモフモフが、側にいて触らずにはいられず毎日ティーガの体をなで回しながら、ティーガがいかに素敵な猫様なのか、可愛いのかを毎日毎日独り言のように言いながらティーガと一緒に寝ていた。

ゲームでは、ティーガとアレキサンドライト様になんらかの繋がりがあったみたいだから、ティーガと仲良くしていることで、必然的にアレキサンドライト様の高感度があがったのかしら。


なぁんて考えながら膝のクロロを撫でていると、肩にトンッと軽い衝撃が走る。

そして、頬を何かに舐められる。


「ティーガ?」


こんなことをしてくるのは、ティーガしかいない。

肩に目線を落とせば案の定ティーガが私の肩に乗りながら器用に私の頬を舐めていた。

もちろん、ご機嫌に喉を鳴らすことを忘れずに。

ティーガが来たことをうけて、膝の上で寝ていたクロロが目を開けて、ティーガを見つめる。


「う゛ー」


低い声でうなり声を上げるクロロ。

ティーガとクロロが顔を合わせるといつもこれだ。

うなり声を上げるクロロとなに食わぬ顔をして、私の頬に頬擦りをするティーガ。


うう。なんて幸せなんだ。


猫様サイコー!!


クロロがちょっと不機嫌だが、私の膝からどく気配はない。

ご機嫌をとるために、クロロの顎下を優しくなでると、目を細めてクロロが喉を鳴らし始めた。


可愛い。


「あんた!悪役令嬢のくせになんで、クロロまで手なずけてるのよ!!」


猫様二匹と幸せを噛み締めていると、後ろからヒロインちゃんの声が聴こえてきた。


めんどくさい。

遅くなってごめんなさい

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ