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ピンク色の髪に晴天を思わせる瞳の色。

抜けるような白さの肌に、瑞々しい唇。

ぱっちりとした猫を思わせるような目。

なにもかもが、記憶の中のヒロインと同じ。

入学の時期は違うが、ヒロインなのだろうか?


「まずはその子を離して。貴女は誰?」


ヒロイン(仮)は素直に猫を下に下ろして、こちらを睨み付けてくる。


あれ?ヒロインは心優しい女の子だったのに・・・。やっぱりこの子はヒロインじゃないのかしら・・・?


「私は、アンナ・ランドイッチよ。未来の王太子妃よ。って、貴女悪役令嬢じゃん!!」


あ、転生者きた・・・。


「悪役令嬢ってなんのことですの?」


私が転生者ってバレたらなんか嫌な予感がする。

ここは、知らない振りをしよう。

そして、今後この子には近づかないようにしよう。


「まあ、いいわ。貴女手加減しないでじゃんじゃん私の悪口を言っていいからね!そうすれば私は王太子妃まっしぐらよ!うふふ。」


「王太子?今、この国では王太子はまだ決まっていないはずよ?殿下方が成人してから決められるはず」


「決まっているわ。アレク様が王太子になるのよ!そして、私は王太子妃になるのよ」


アレキサンドライト様。通称アレク様はこの国の第一王子。ゲームを進めていくことで、アレクが王太子になるが、ここはゲームとは似ているがゲームの中ではないと思っている。

それなのに、王太子がアレクに決まっているなど、やはりアンナは転生者確定だわ。


「アレキサンドライト様とお呼びになった方がいいわ。親しくもないのに不敬だわ」


「あら、私は王太子妃になるのよ。愛称で呼んで何が悪いの?って、ティーガ!悪役令嬢の足にすりすりしないで、こちらにいらっしゃい。私が王太子妃になるのよ!」


いつの間にかティーガと呼ばれる黄金色の猫が私の足にすりすりしてる。


可愛い。。。

抱き上げていいかしら。


ヒロインがまだ何かわめいているけれど、この子の可愛さの前では気にもならない。

しゃがんで、ティーガの目線に会わせると

「抱っこしてもよろしいでしょうか?」

と、確認をとってから、ティーガを抱っこする。

ティーガは大人しく私の腕に抱っこされた。

目を細めて、小さな聞こえるか聞こえないかの声で、「にゃぁ~ん」と鳴いてから気持ち良さそうに目を細める。

それから、胸に頭を刷り寄せてくる。


なに、コレ。ちょー可愛いですけど!!

こんな可愛い子相手に誰かの悪口なんか言えるわけないじゃない。悪役令嬢ってほんと猫のこと嫌いだったのね。。。

私には無理だわ。


「ちょっと!悪役令嬢!!ティーガを返しなさいよ!」


アンナが私の腕から無理矢理ティーガを奪っていく。


「あ!ちょっとティーガ様を乱暴に扱ってはダメよ!猫様たちはね、繊細なのよ。急な動きや大きな声を嫌うの。だから優しく接しなければなついてはくれないわ」


「きゃっ!」


案の定、嫌がったティーガにアンナが爪をたてられた。その痛さに、ティーガを抱いている手を離す。

ティーガはピョンっとアンナの腕から抜け出し、軽やかに茂みの中に消えてった。

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