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一月の手紙  作者: 紗厘
第1章 ~隠し事~
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デート!

 今日は会えるね!

 楽しみだ!

 でもね、時間的に遅刻確定なんだよ。


     ∵


「ごめんなさい」


「……」


 結愛(ゆあ)さんは怒っていらっしゃる。

 こんなところで怒り顔を見られるとは思っていなかったのでラッキーだ。


「何、笑ってるの?(のぞみ)は遅刻した自覚があるの?」


「ごめんなさい」


「さっきからそればっかりじゃない。罰として家を教えなさいよ」



 僕の今家と呼ぶべき場所は『病室』になるだろう。

 先生からはいつ何が起きるか分からないから、ここで寝泊まりしてくれ。と伝えられている。その割には外出の自由さと矛盾しているがそんなこと言ったら外に出られない気がするから黙っておく。

 結愛にはその事も話していない。

 バレるわけにはいかなかった。


「汚いから本当に駄目。じゃあ今日の昼奢るからそれ勘弁!」


 手を合わせて、許しを請う。

 結愛は溜息を吐くと、仕方がない。と妥協案をのんでくれた。


「感謝です」


「はいはい」


 結愛は困った表情を浮かべたまま、僕と結愛のデートは幕を開けた。


 時間が経つにつれて、結愛はしかめっ面から笑顔に変わっていた。

 僕としては一安心だが、僕の財布は崖っぷちに立たされていた。


 お昼のレストランで、三皿のデザートを食べるとは思わなかった。

 今立っているビリヤードがぎりぎり払える程度だ。


 そんなことを考えていると楽しいものも楽しめないので、この勝てる試合を勝つことにする。



「…………負けた……」


「大・大・大逆転勝利~!」


 9以外は全て落として順調だったのに、最後の最後9を結愛に一発で落とされてしまった。


「ナインボールはこういうのがあるから、やめられないんだよね~」


「時間的には、まだ出来る!もう一回だ」


「いいよ~」


 余裕オーラを出しまくっている結愛(ゆあ)にリベンジをしてやる。


     ∵


 それから三回出来たけど、一回しか勝てなかったな。

 結愛がご機嫌そうに終ったから良しとしようか。


 結愛のおかげで楽しい人生になりそうだよ。

 本当にありがとうね。

 手紙を書いているつもりなんだけど、これだと日記だよね。

 もう一層(いっそう)の事、日記にしようかな。

 これで二日目になるけど、三日坊主にならないように頑張るぞ!

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