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一月の手紙  作者: 紗厘
第1章 ~隠し事~
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日記と忘れられない思い出

 この後は、またファミレスに行って同じものを頼んで俺が奢ったんだっけ。

 そのせいで僕は残りの月はもやし生活だったんだよ。


 書いていて思うけどとても懐かしい。結愛(ゆあ)も読んでいるとき同じ気持ちだと良いな。


 結愛(ゆあ)は仕事を頑張っているのかな?僕はとりあえずパートになると言ったけど、働くことは出来ないんだよね。出来ないというより、やる意味がないんだ。

 変な病気だよね、身体はちゃんと動くし精神も正常なのに今月で死んじゃうんだよ。

 社会よりも理不尽な神様だよね。

 この病気の事に気づいたのも、ファミレスで奢った二日後だったかな。


 絶望の海に沈んだよ。

 でも光が差し込んできたんだ。真っ暗な海に差し込んだ光が結愛(ゆあ)だったんだ。


     ∵


 学校の帰り道は同じ方向だったから赤沢(あかざわ)と一緒に帰っていた。


「みんなに無視される原因を作った私が勝手な事は分かるんだけど、一つ聞いていい?」


「別にそんな事思っていないし、気にしても無い。どうしたの?」


「私がさ、その……(のぞみ)くんの事がさ……あぁ……好きって言ったらどうする」


 フェイドアウトしていた声が急に大きくなりまずそのことに驚く。

 二秒後、話の内容を理解して開いた口がふさがらない。


「……希……くん?」


 赤沢さんは地面と僕を交互に見ていた。


「あ、えっと。何でそうなったの?」


 動揺して何を聞いているのか自分が分かっていない。


「もともとは、いじめとか好きじゃないからなんとなく声を掛けただけなんだけど、教室で怒った時かっこいいと思ったし、うざいとも思ったけど、――あ、今の無し!……一緒に帰っていて面白いし……」


 別に俺も赤沢には似たような感情を持っていたが、告白されるなど考えたことも無かった。


 少し前に、病院で余命を聞かされ絶望しかなかったが、そんな気持ちなど吹っ飛ぶほどの春が僕にもついに来た!


「えっと、俺も赤沢(あかざわ)さんの事が好きです!お願いしまうっ……」


 大事なところで噛んだ…………。

 赤沢さんの方を見ると先ほどまで緊張していたのは嘘と思えるほど笑っていた。

 僕は恥ずかしさで顔が真っ赤になりそのまま倒れた。


     ∵


 目を覚ましたら公園のベンチで膝枕してもらってたよね。

 もう一回してみてほしいけど、多分無理だろうな。

 頼む方も恥ずかしいし……。


 気づいたら夜になっていたよ。

 今日は家族は来なかったな……。

 病院って本当にやることが無いんだよ。

 結愛(ゆあ)に言ったら毎日来てくれるのかな?迷惑だとしても来てほしいかな。

 でも最後ぐらい心の底から笑った笑顔で別れたいから、我慢だ。


 独りで我慢することは慣れてたし大丈夫だけど、結愛が彼女になったせいで一人だと我慢することがちょっと辛いかも……。


 怒られるかな?怒られるよね。怒って欲しいな……。


 結愛の怒った顔見てみたかったな……。


 さっきナースさんが来て「寝なさい」って言われたから素直に寝る事にするよ。


 おやすみ

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