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死を書くことはやめにした
さも当然のように顔を出してくる死というやつを
詩誌のなかでは特別可愛がっているように思う
やっかいなやつだとか
おそろしいやつだとか
時に悲しそうに
また時には憎しみを込めて
私たちは死というやつを描写する
だが書けば書くほど惨めになるのは私たちだ
知っているふうに死が書かれて
「俺はそれを経験したんだ」と言わんばかり
確かに
私たちにはその力があるかもしれない
だが死はいつだってそんな私たちを
そこの壁のところに体半分隠して
くすくすと笑っているじゃないか
だから私は
死を書くことはやめにした
もし彼が私のそばをすっと通り過ぎていったら
その時は過去の美しい思い出を描くように
「私は君に憧れていたんだよ」と
小さな声でそう言いたい
もし彼が私の無数の未来にはびこってしまったら
私は君を
死とは認めないだろう
それでも
誰かが君のことを幻だとか言いだしたら
私は最後まで反対するつもりだ
君は「哀れな人間たち」と友達になりたいわけじゃない
人間そのものになることを夢見て
優しく話しかけてくれる
私たちの対立が今の感情に仲介されたら
君は生きている植物や動物のように
様々な詩の行を飾るだろう




