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第二十七話

「あのねぇ、夫婦のスキンシップ的な意味合いだったら、ちゃんと避妊くらいしなさいよ」

「はい」

「別に子供が出来たことを怒っているわけじゃないわ。でも、作る気がなくて出来ちゃったのは、流石に子供が可哀想よ」

「可愛がりますよ! 自分の子供ですよ!?」

「あーもう! そういう話じゃないわよ! いい!? 耳の穴かっぽじってよぉおく聞きなさい!」


 そこからお説教が加速した。


 ……


「わかった? 以後反省しなさい」

「はい。以後反省します」


 避妊って大事だよね!(爽やか顔)


 いや、冗談抜きで大事だよ。

 つーか、普通気を遣うものだけどね! やっぱり舞い上がってたんだなー、俺。


「ここからは知識不足だけど、自前で調べてお互いに情報を交換していきましょう」

「そうですね」


 確かに知識不足だ。

 どうしたってそこら辺に関する知識はネットとかで調べるしか……あ。


 丁度、こういうのに詳しそうな知り合いがいるじゃん。


「ちょっと行ってきます。フェリンさん、コドクさん、留守番よろしくお願いします」

「ん。いってらっしゃい」

「早く戻りなさいよ?」


 俺は転移の魔法で、目的の場所へ転移した。


 ……


「そんなわけで来ました」

「いや、どういうわけですか」

「魔狼と触手の子だから、いつになるかがちょっと分かりませんけどね」

「はあ……とりあえず、おめでとうございます」


 面倒くさそうに溜息を漏らすのは、赤い髪のハイエルフ。


「まさか、家庭を持つとは……」

「俺も驚いていますよ」


 旧知の間柄の彼女からしたら、そりゃあもう大事件だろう。

 割りに反応薄いけど。


「魔力が教えてくれました。その時にはものすごく動揺しましたよ」

「あ、そうなんですか」

「で、どうせ子育ての秘訣とか、そういうのを聞きたいんでしょう?」

「はい。ご名答です、リイレさん」


 リイレアナ・ソードシーカー。


 俺ほどではないけれど、随分長く生きている知り合いである。

 主に勇者の育成なんかをしていた彼女だが、今は現役から身を引いて、三人の自分の子供に役目を任せている。


 ちなみに物凄い子供好き。

 当時のエルフで三人も子供を作ったのはこの人くらいだ。

 旦那さんとも仲いいしなー。

 おまけに他所の親が面倒を見れない子まで面倒をみたりと、子育てなら経験者過ぎる人なのだ。


「娘さん、元気にしてます?」

「ええ。元気に仕事をしているはずですよ」

「もう全権まで身に付けたんですか?」

「いえ、そこまでじゃありません」

「あ、そうなんですか」

「今はまだ、ですけどね。おいおい身につけるでしょう」

「そうですね」


 っと、世間話はこれくらいにして、


「えーと、本題なんですけど」

「どうせ聞かれると思ったので、こっちで纏めました。向こうのノートって便利ですよねー」

「あ、ありがとうございます!」


 はい、と手渡されたノートを見ると、かなり細かい字で、しかし見やすく分かりやすく子育てで気を付けるべき点やらが記されていた。


「助かります!」

「どういたしまして。ですけど、それはあくまで普通の獣人基準ですから、あんまり当てにしすぎないでくださいね?」

「はい!」

「……大事に育ててあげてくださいね? その子は唯一無二の、あなたの子供ですから」

「勿論です!」


 可愛くないわけがない。

 大事じゃないわけがない。

 愛せないわけがない。


 彼女と俺の子供なのだ。


 今まで持ったことのない感情だけど、やっぱり戸惑いはない。


 俺の身の回りの人達、全部ひっくるめて――絶対幸せにするのだ。

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