プロローグ1
暫くは予約投稿を使って定期的に更新していきます。
エロ触手は思案する。
どうすれば生きていけるのか。
どうすれば殺されないのか。
(とりあえず陵辱はなしにしよう。次世代に託してちゃ、俺がダラダラ出来ないし)
それだけは結論が出ている。
自分の知る自己保存は、あくまで種の保存だ。
エロ触手には、捕食や休息に対する本能が薄い。
そこにこの固体は眼を付けた。
(捕食……それと休息か……。この二つは徹底しよう)
エロ触手は早速行動に移る。
多くの生き物を襲い、消化し、吸収していった。疲労がたまれば、安全な場所で睡眠などをとった。
そして転機が訪れる。
食っちゃ寝るを続けること凡そ二年。
エロ触手は、魔法を習得したのだった。
(魔法……魔法ねぇ……)
エロ触手は思案する。
これから生きていくのに、魔法をどう生かしていくのか。
(そもそも、どんな魔法か分からないしな……)
魔法が使える。
何故か、と問われても説明できそうにないが、それだけは確かだった。
(使い方は分かる。でも、どういう理屈かは分からないな……)
魔力を消費して現象を引き起こす、という最低限の理屈をエロ触手は知っている。
だが、魔力の正体がなんなのか、どうして魔法を使うときに消費されるのか、消費された魔力はどうなるのか、現象が何故引き起こされるのか、そんな基本的なことも、エロ触手の知識にはない。
とりあえず、エロ触手は魔法を使ってみることにした。
魔力の減る感触が有るが、何も起きない。
(……?)
内心首を傾げつつ、エロ触手は魔法を使い続ける。
繰り返すこと丸三日。
エロ触手は、日頃の捕食と、休息による蓄えのお陰で、数日間はノンストップで行動が出来るのだ。
三日目にして、遂に何の魔法であるのかが分かった。
(回復魔法か)
目の前にあった、古い、傷ついた大樹。
しかし、魔法が発動すると同時に、みるみるうちに幹のあちこちに刻まれた、深い傷が消えていく。
今までは、傷ついた対象が存在していなかったか、または存在していたとしても、ごくごく小さな物で、エロ触手が気付かなかっただけだったのだ。
今、目の前の大樹を癒したことにより、エロ触手に一つのアイデアが浮かび上がった。
(これで強い連中に襲われても、逃げずに戦える)
それは、エロ触手の戦い方に、大きな変化をもたらす、選択肢の増加だった。
今までは、勝てそうにない相手からは、全力で逃げた。
だが、それだけがこの魔法によって手に入れた可能性ではない。
(これ、一匹餌を捕まえれば、殺さずにそのまま栄養源に出来るんじゃ……)
悪魔のような考えである。
しかし、この思考が、新たな波乱の呼び水になるのであった。




