表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/18

第肆話 『クイシンボウヨウカイ』

「はー、疲れた〜。」


 ソファーの上に寝転がる桜花。


「ん・・・そんな感じに見えないが?」


「ひどいよー今日は貴方を探しまわったんだからね!」


「あ、ああ。すまん。」


「なんだか眠くなっちゃった。少し寝るわね。夕飯の時に起こして。」


 そう言って数秒で眠り着いてしまった。


「はぁ〜。俺も散々だったってのに。」


 俺はため息をついて椅子に座る。


「永遠奏界のバランスねぇ…。こいつは一体今まで何をしてきたんだろうな。しかし…あのとき本当にナイフが俺の体に刺さったはず。だが本人は刺していないとか。これも能力という奴なのか?」


 疑問に思いながら、桜花の顔を見る。


「こいつ…良い寝顔しているんだな。さっきのことは何も言えん…。」


 その後、俺は時計を見て顔つきを変えた。


「そうだ!飯作らないと!」


 俺は立ち上がる。台所へ料理を作りに行った。



 ──────。


「よしっ出来た。」


「はっ牛肉の匂い!」


 桜花が急に起き上がる。


「・・・起こす前に匂いで起きやがった。」


「あぁ・・・私は肉類が大好きなんだ…。特に牛肉とかステーキ!」


「・・・そうですか。食うのは久しぶりか?」


「5ヶ月ぶりだ!!!」


 桜花は口調を変え、瞳を輝かせてそう言った。


「それじゃあ、その久しぶりの肉とやらを召し上がろうじゃないか!」


「のぞむところだ!」


 そうして二人は食べ始めたのだが、桜花は5分で食べ終わってしまった。


「うん、美味かったわよ。」


「早ッ!もっとよく噛んで食べないと消化に悪いぞ。」


「何、超速で噛んでいるから大丈夫。妖怪でも唾液はちゃんと出しているしね。」


「いや…そう言う問題じゃないだろ。」

 俺は苦笑いをする。



 食べ終わった黒は、食器を片付けていく。


「バランスを保つと言っているが、標的は決まっているのか?」


「ええ、貴方も聞いたことがあるでしょ?最近夜になると人が大量出血で死んでいた・・・という事件よ。」


 俺は朝、月達が言っていたことを思い出す。


「…あの時の奴か。」


 丁度片付け終わったので、桜花の隣に座る。

「私は推定時刻も黒幕も全て知っているわ。・・・後もうちょっとね。」


「ん・・・もしかして。」


 不安な顔をする。


「ふふっもしかしてよ。出るわ。」


「ぐぐぐ、やっぱり…。」


 俺はガクッと首を落とした。


「そう落ち込まないでよ、貴方の眼の力…。見せてもらうわね。」


「・・・お前と一緒にいれば俺は死ぬことは無いのか?」


「そうね。でもその時の場合によるわよ。」


「そうか…お前に頼ることにするよ。」


 微笑んだような眼で桜花はこっちを見た。


「あら、勘違いしないでよね。あなたも戦ってもらうわ。」


「何ぃ…!?」


 体にイナズマショックが走ったように黒は固まった。


「ここを出る前にある物を渡しておくから待っててね。」


「ん?ああ。」


「…もうそろそろね。私は着替えるから、ちょっと廊下に出てくれる?」


 桜花は笑顔でそう言った。


「へぇ…妖怪にも恥っていうのがあるんだな。」


「いいから出てくれる?」


「・・・すいません。」



 笑顔の桜花だが、その裏に殺気が感じとれた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ