ヤンデレとメンヘラを比較した上での考察
世の中にはある人を恋い慕う余り、精神を病んでしまうという人がいる。
そういう人を、人々は『メンヘラ』『ヤンデレ』という。
しかし、私の主観ではあるが、『メンヘラ』というのは『ヤンデレ』よりもごくごく最近に生まれた単語のように思える。
これは同一視するべきなのか、それとも、何か焦点が違うのであろうか?
今回はこれを研究してみたい。
それではまず、世間一般の『ヤンデレ』『メンヘラ』の意味をあげてみよう。
まずはヤンデレから。
ヤンデレは、キャラクターの形容語の1つ。「病み」と「デレ」の合成語であり[1]、広義には、精神的に病んだ状態にありつつ他のキャラクターに愛情を表現する様子を指す。その一方、狭義では好意を持ったキャラクター(「デレ」)が、その好意が強すぎるあまり、次第に精神的に病んだ状態になることを指す。(wikipediaより)
続いてメンヘラは。
「心の病気を患った人」を意味するネットスラングである。(ピクシブ百科事典より)
ちなみにメンヘラの語源に関してだが、聞く限りでは二種類あるようだ。
一つは『メンタルヘラヘラ』という精神状態が薄っぺらい、へらへらな状態だということを略して『メンヘラ』だというもの。
もう一つは『メンタルヘルス』という精神健康の意味を示す英単語を省略。その上で者を示す、『-er』が末尾について、『メンヘラー』『メンヘラ』となったものだ。
恐らく後者の方が正解であると私は感じているが。
つまりこれらをざっくりまとめてしまえば。
相手が好きすぎて病んでしまっている状態を『ヤンデレ』
精神的に病んでいる状態の事を『メンヘラ』
というようだ。
つまり、相手の有無がヤンデレとメンヘラの違いだと思われる。
だが、最近の恋愛事情をネットで検索するに、相手がいてなお、メンヘラと呼ばれる人もいるようだ。
メンヘラ彼女、メンヘラ彼氏、というものらしい。双方いるので、間を取って『メンヘラ交際相手』と定義することにする。
2チャンネルなどのネット掲示板にはメンヘラ交際相手について、多彩にそのような情報が記されている。
主にメンヘラ交際相手の症状としては以下のように挙げられる。
『些細なことで腹を立てて、八つ当たりするものの、別れようとはしない』
『気に入らないことがあるとすぐ切れる』
『思い通りにならない場合、自分の存在を否定しはじめる』
『自分が満足しなければ、相手を振り回し続ける』
――ちなみに、初めて私はメンヘラ交際相手について調べてみたが、掲示板に乗っているものはやたらと恐ろしいものばかりで仕方がない。ホラーなのか。
閑話休題。
それに対して、ヤンデレの情報というのは掲示板にはあまりない。
確かに、ヤンデレといえばどうも二次元的な存在が多いようだ。ゲームのスクールデイズや、未来日記などが良い例である。他にもサブカルチャー作品においては良くある。
そのせいもあって、どうもヤンデレというのは可愛い印象がある。
ヤンデレのヒロインは大体、主人公の意向を優先する。しかし浮気を許さない。
その兆候によっては女が近寄ってくるだけでそれを浮気と見做し、排除を試みる。独占欲が強い場合、主人公を殺して自分も死ぬらしいが、それは極端な例であろう。
しかし、極端な例さえなければ、ヤンデレというのは『他の子よりも嫉妬心の強い可愛い奴』となるのではないだろうか?
もし、そんな彼女がいたら、彼氏冥利に尽きる。萌える。多分。
専門家曰く、ヤンデレも別種類があるらしいが、基本的には可愛いものであるに違いない。
となれば、ヤンデレとメンヘラの違いというのは何であろうか?
ニコニコ百科事典についてもそれには言及されている。以下抜粋。
ここ最近では、(ネットスラングとして)ヤンデレと比較され混同されることが多くなっているメンヘラ。現在境界が曖昧な両者の違いを比較した場合、相手への依存の仕方と愛情の向き方に差異があるという意見が多い。
つまり、メンヘラは自己中心的で、ヤンデレは相手至上主義、ということだ。
交際において、愛のあり方が異常に自己中心的であるのであれば、それはメンヘラ交際相手であり、逆に相手のことを異常に愛しているのであれば、それはヤンデレということとなる。
しかし、元来人間というのは愛を求める生物であり、それはある意味、自己中心的且つ独占的衝動だ。
恋愛というのは、ある意味では自己中心的にならねば成り立ちえない一面も存在する。自分を愛していなければならないのだ。
つまり結論、その匙加減なのであろう。
自分も愛していながら、それ以上に相手を限りなく愛しているならば、それはヤンデレであり。
相手を愛しているものの、自分が満足せねば満たされない――それこそがメンヘラであるのだ。
自分への愛――そういえば美しく聞こえるかもしれないが、正直、付き合わされる側としてはほとほと迷惑であろう。だからこそ、掲示板などでは愚痴のように書かれて蓄積されている。
ヤンデレの場合だと、愚痴にもならん惚気なので蓄積されないのではないか。
だが、メンヘラと呼ばれる人が自分の存在以上に愛せる存在を見つけたならば。
それはとんでもないヤンデレに変貌するのかもしれない――。
と、私は心のどこかで願っている。
尚、メンヘラという単語はネットスラングであり、一種の侮蔑的意味合いが籠っている。
使用する際はなお一層、注意しておきたい。
以上にて、ハヤブサによるヤンデレとメンヘラについての考察を終える。