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夏2日 ホセ ハイテンション熱テンション

「店長! いつもの!」


いつもの時間に、いつもどおりミズキが来た。

午前中は学校に行っている日もあるみてーだけど、昼に家に帰って飯食ってそのまま昼ドラ見て、散歩がてらにうちに来るのが、こいつの日課みてーだ。

それは日課でいつもどおりなのかもしれねーけど、


「どれだ? 栄養ドリンクか? アイスか? 日焼け止めか?」


買っていくものはその日によりけりで「いつもの」なんて言えるものはねーよ。

ロバートならコーヒーと濡れタオルだが。


「やだなあ店長、スマイルに決まってるDARO☆」


ミズキは手をピストル型に握って「バァン」とか言いながら撃ってきた。

ウインクなのか片目で照準合わせてんのかしらねーけど、なんかこいつ気持ち悪いな。

さすがに病院をすすめるべきか? 変なのはいつものことだが、気持ち悪いからな。

なんつーか、エメリアさんのドジっぷりを見せれば、どんなに頭が花畑のやつも正気に戻るような気がすんだよ。

エメリア療法、これ結構いい線いってんじゃねーか?

一昨日ロバートが帰ってから、俺考えたんだよ。

正常な判断が出来なさそうなやつを、どうすれば病院に行かせることが出来るか。

答えは簡単だった。

俺は雑貨屋。なんのかんの理由つけて、病院まで配達頼めばいいんだよ!

手紙も一緒に持たせれば、グランツェ先生の方であとは何とかしてくれんだろ!


つーわけで、ミズキにもなんか配達させっか。

配達する商品代は俺のポケットマネーから出ていくからな。何にすっかなあ。

これでいいか、『夏の冷え対策に! 超低温カイロ 熱くてCOOL』。

今年の新商品らしいけど、いまんとこ一個も売れてねーし。

エメリアさんに使ってもらって、良くても悪くても宣伝してもらおう。

良い評価も悪い評価も、発信源がエメリアさんなら、

「エメリアの評価じゃ信用できんから使ってみようと思ってな!」という客が殺到すること間違いなしだ。

あれ? なんかすげー儲かりそうじゃねーか?

俺さっきから冴えてるな。冴えわたってるな。

俺自分のこと頭良くねーと思ってたけど、案外頭いいのかもしれねーな。


「ミズキ。ちょっと診察を受けつつ、これをエメリアさんに使わせてきてくれ」

「ふむ? よくわからないが、それは私が診察を受ける必要はあるか?」

「ねーな」


金に目がくらんでミズキに受診させるための案だってこと忘れてた。

俺が頭良いとか、やっぱ勘違いだったわ。


「で、お前今日なんかあったの?」

金をカウンターに置いてアイスを食い始めたミズキに尋ねると

「よく聞いてくれたな!」

と、ミズキは目を輝かせた。

「合宿することになったのだよ! 夏合宿だよ!」

合宿っつーと、兵士とかが泊まり込みで訓練したりするあれか?

それとも異世界だとなんか違うもの指してんのか?


「その名も、『ミズキ王子を囲む会』さ!」

「囲い込むのか? つまりお前が森に逃げて、それを追いつめる訓練か?」

そっちにいったぞー! 右から回り込めー!!

「追いかけるならもっと情熱的に頼む」


ミズキに詳細を聞いたところ、単なるお泊り会らしい。

いい歳してお泊り会か……微妙だな。

「風呂上りの薄着の女子見放題だぞ」

……まあいいか。


「ところでホセ。顔が赤いぞ」

「は!? 別にエロいこととか考えてねーぞ!」

湯上りとか!薄着とか!

「いや、そうじゃなくてだな。店に来たときから顔が赤くてな?

 なんだかいつもと様子も違うし。

 もしかして熱があるんじゃないか? 体温計あるか?」


体温計はやべー数値を示していて、病院を勧めるミズキに対し、俺は「病院に行くほどじゃない」と必死に抵抗することになるのだった。


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