表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/100

春17日 リーン ヴァニラちゃんのセクシー悪女への道のり

手紙を配達しにロヴァ亭に行くと、ヴァニラちゃんが鬼気迫る表情で雑誌をめくっていました。

わたしが来たことには気づいてないのか、雑誌から一瞬も目を離しません。


「ヴァニラちゃん、どうしたの?」

奥から出てきたロバくんに手紙を渡しつつ聞いてみます。

「うん、おれから言えることは、あの雑誌の特集が『これで確殺(はあと)セクシー悪女になる方法』だってことくらいかな」


テーブル席の椅子に座ったヴァニラちゃんの足は、床に届いていません。

わたしも身長は低い方だけど、ヴァニラちゃんはさらに小さいの。


「これ、良かったら食べていって。ヴァニラと一緒に」

そう言って手渡されたのは、プリン。

たしか、ヴァニラちゃんの好物だっけ。


プリンを持ってヴァニラちゃんに近づくと

「は! プリンの気配!!」

ヴァニラちゃんがガバッと顔を上げました。

プリンの匂い、とかじゃなくて気配なんだ……。

ん、たしかに匂いはあんまりしないけど……。

「何々食べていいの!? お兄ちゃんが!?

 やたー! お兄ちゃんメタボ!!」

「太っ腹な」

ヴァニラちゃんは大喜びでプリンを頬張り始めます。

口の端にカラメルついてますよ。


机に広げたままの雑誌では、背の高そうなモデルさんが、色っぽい服を着て、真っ赤なルージュを煌めかせて、艶やかに微笑んでいます。


「お兄ちゃんお代わりあるの? ねえねえ!」

「さて、風呂掃除と交換、かな?」

「するする! プリンちょうだい!」


セクシー悪女への道は、どの面からも通そうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ