食べ物の恨みは怖いんだぞ。【中編】
少し内容の方を編集いたしました!
「ハァ…ハァ……あの変態共から逃げないと!」
ボロ切れのような服を着た少女は裸足で曲がりくねった道を駆けるが、息が切れてフラフラと今にも倒れそうな程に疲労していた。
「後少し……きゃっ!?」
曲がり角を曲がった瞬間に何かにぶつかって尻餅を着く。
「よぉ、手間取らせやがってクソ人獣が。」
頭頂部に生えている三角形の耳を引っ張って無理矢理立たせるスキンヘッドの男。
「い、痛い!放せ、クソ野郎!」
爪を立てて耳を掴む腕を引っ掻くと、男の腕に刻まれる四本の傷跡。
「獣の分際で人様を舐めやがって!」
男は引っ掻かれた腕とは反対の拳で少女の顔面を思い切り殴りとばす。
地面を跳ねるようにして少女は壁へと衝突して止まる。
「ひひっ、よく見れば中々可愛い顔してるじゃねぇか。売り飛ばす前に少し可愛がってやるか。」
「おいおい、こんなガキとヤる気かよ。しかも人獣だぜ?」
「ケッ、穴があんだから関係ねぇよ。それに見てみろよ。ガキだからこそ犯しがいがあるんじゃねぇか。」
痛みの所為で意識が朦朧とする少女身体をまさぐる男はボロ切れに僅かにツンとした膨らみを触る。
「さ、触るな……離れろクソ野郎……」
混濁する意識の中、自分の身体を触る不快な手から逃れようと身じろぎするが、身体に力が入らない。
遂にその男の手が自分以外誰も触れたことの無い秘部へと近付く。こんな男に穢されるのかと絶望に目を瞑ると突如頭上から聞こえる破砕音。
そして自分に触れていた男の気配が消えていく。
ゆっくりと目を開けると、パラパラと落ちてくる木片と眼前に着地する黒い外套を身に纏った男。
「悪い子はいねぇかー。」
それがその男との初めての邂逅であった。