いつものゲーム日和
取り敢えず書いてみた。
感想で好き勝手言ってきたのだから、やらなきゃ駄目だろうという事で。
「……」
見覚えのある天井に、ムクりと立ち上がると、ゆっくりとした足取りで使い慣れた小部屋から出てこの建物の出口へと向かう。
時折、この広大な復活ポイントの小部屋群が発光するのはお仲間だろう。
その建物から出て大きく息を吸うと、
「……だから何でこのゲームは復活ポイントが遺体安置所なんだよ!」
無駄だと判っていても叫ぶのは最早様式美だ。
周りには僕と同じように叫んでいるプレイヤーと、死に戻った仲間を迎えに来た苦笑いのパーティーメンバー。
一見ごく普通のVRMMORPGのフリした『skill&wizdom』。
実際は仕掛けだらけの高難易度ゲーム。
正式サービス開始から一ヶ月の今日、『S&W』運営からユーザーに対して宣戦布告がなされた。
『偽りだらけの世界から自分だけの真実を探し出しせっ!』
そしていけずなスキルの実体と、マスクデータの存在、現れない最初のエリアボスの出現条件の開示。
……最初のステージで詰むってどんだけ鬼畜なんだ運営?!
「最初のフィールドの初見モンスターと100連戦100連勝がボス戦の勝利条件って不可能だろ?!」
ポンッ。
「それでもやらなきゃなのよ」
いつの間にやら背後には杖を背負った巫女姿の少女と細剣を装備したローブの少年。前には重鎧のアーチャーとシーフのドワーフコンビ。トドメは初心者装備に大盾持ちのエルフの僕。
「……せめて種族特性に合ったスキル構成にし直してから挑戦しようよ…チャンスは各一回しかないんだから」
「「「「嫌だ(よ)!」」」」
orz
「…無駄だって分かってるのに懲りないね、ちぃ」
最後に、色物揃いのこのパーティ唯一の正統派プレイヤー、錬金術師のちぃ。このゲームで再会したクラスメート一同からは最後の良心なんてあだ名付けられてたっけ…
「幸い(?)普通なら生産オンリーな筈の錬金術師がこのゲームだと付与術士ポジらしいからごり押し一択!」
「「「オーッ!」」」
「俺は生産がしたかったんだぁぁぁ•••!」
そして今日も僕たちの色物冒険は続くのでした○
きっとすぐ逃げますっ!
それまでお願いします。