優劣
「そう、今日の昼間の話なんだけど、コムラが僕とミミミの関係を聞いて来たんだよ」
「へえ。で、あなたは何と答えたの?」
「幼馴染で、それ以下は無い。ってね」
「以下は無いの?」
「さすがに以下はないだろ。だって実際、幼馴染なんだから」
「じゃあ、それ以上の関係性かもってこと?」
「まあ少なくとも、幼馴染以上の関係性っていうのは確かだぜ。なんせ、幼馴染っていうのは幼いころから一緒にいて親しくしているだけで、現在親しくしている、所謂友人と大差ないからな。幼馴染って言うよりか、古くからの友人って言った方が良いかな。コムラは最近の友人ね」
「つまり親密度に時間は関係ないってことなの?タカタ君の中で」
「少なからず関係はするんじゃないか?ほとんど初対面の人と気兼ねなく語り合える程僕はコミュニケーション能力が高いわけじゃないからね。でも、直接的には関係しないだろ」
「まあ確かに。私とタカタ君のほかにもう一人、幼稚園からの付き合いの子がいるけれど、その子と私達は別に仲が良いわけではないものね」
「まあそれに近いね。いくらずっと一緒にいて、会話を普段からしていても、その人よりノリの合う奴なんてその後の人生でいくらでも出てくる。だから親密度に時間なんて要素は、関係はあれど、些細なことなんだよ」
「じゃあ私とコムラさん、どっちの方がタカタ君の中で親密度が高いの?」
「そういうのって普通聞かないものだと思うけど。まあいいや、それがミミミだからね」
「なんだか馬鹿にされてるような気がしないでもないけれど、とりあえず聞かせて?タカタ君の中での二人の親密度を」
「友人に差をつけて優劣は語らない。それは友達に対して失礼だから。よって、僕の中でミミミもコムラも同じだ」
「おいこの優柔不断自己無し影薄へっぴり腰の玉無し野郎」
「言い過ぎじゃないか!?」