会話するだけ
「『会話するだけ』それは全編鍵括弧の中で語られる不定期更新の物語だ」
「情景描写なんて一切用いない、セリフだけの物語。読者は強制的に、僕らの会話の様子を頭の中でくみ上げるしかなくなる」
「読者にとってはなかなかに不便なものだけど、しかしその不便さを利用した面白さってやつも無くはない」
「例えば蝋燭。すっかり使われなくなってしまったけれど、しかし偶に思い出して、引き出しの中から取り出して、火をつけてみてほしい」
「揺らぎ、暖かな光を放つ炎の様子をじっと観察してみると、なんだか心が安らぎはしないかな?それを眺めていると、なんだか心が躍る気はしないかな?一緒くたにしてしまっていいのか分からないけど、つまりはそういう事さ」
「不便の中にも面白みを見出してこそ、人生ってやつは楽しめるんだぜ」
………
「………ねえ、ドヤ顔でくっちゃべりやがっているところ大変恐縮なのだけど」
「ドヤ顔はしてないけど……」
「じゃあふざけたお顔の持ち主さん、一つ聞いてもよろしくて?」
「………なんだよ」
「単にそれ、言い訳じゃない?鍵括弧と鍵括弧の間、情景描写を書きたくないっていう」
「………」
「…………」
「…………………」
「…………………………」
「情景描写なんて一切用いない、セリフだけの物語。読者は強制的に、僕らの会話の様子を頭の中でくみ上げるしかなくなる」
「読者にとってはなかなかに不便なものだけど、しかしその不便さを利用した面白さってやつも無くはない」
「例えば蝋燭。すっかり使われなくなってしまったけれど、しかし偶に思い出して、引き出しの中から取り出して、火をつけてみてほしい」
「揺らぎ、暖かな光を放つ炎の様子をじっと観察してみると、なんだか心が安らぎはしないかな?それを眺めていると、なんだか心が躍る気はしないかな?一緒くたにしてしまっていいのか分からないけど、つまりはそういう事さ」
「不便の中にも面白みを見出してこそ、人生ってやつは楽しめるんだぜ」
………
「………ねえ、ドヤ顔でくっちゃべりやがっているところ大変恐縮なのだけど」
「ドヤ顔はしてないけど……」
「じゃあふざけたお顔の持ち主さん、一つ聞いてもよろしくて?」
「………なんだよ」
「単にそれ、言い訳じゃない?鍵括弧と鍵括弧の間、情景描写を書きたくないっていう」
「………」
「…………」
「…………………」
「…………………………」