入学式での転校生
前書きって毎回、何を書けばいいのか悩みます...。
王都学園編の幕開けですが、教室の空気がざわつく回です。
寒い季節がすぎ、暖かな陽気の中、マリエットは王立学園へ入学することに。ロゼッタが行方不明になって数ヶ月。何の手ががりもなく、不安の中、入学式が始まろうとしていた。
「マリエットの護衛騎士は、ロキシーに任せる」
「レオハート国王陛下、それはあまりにも…」
お母様が、ソファーから立ち上がり、学校に行かせたくないと伝えるが、レオハート国王陛下が首を横に振り答える。
「ロゼッタ嬢の行方も掴めない、敵がどんな罠をしかけてくるかも分からない状態でマリエット嬢の、身に何かあれば、我々も夢見が悪いのだ」
ロゼッタが、闇の世界に引き込まれお母様はショックのあまり寝込む日が続きお父様は、どうしてロゼッタが闇に飲まれたんだと、2人ともショックを隠しきれない姿を見ていて私も胸を痛めていた。
「リリー。国王陛下に任せるしかない、我々では守る力なんて…」
「あなた!マリエットを学校なんて、行かせたくないわ。もし、この子まで失ったら…ううっ」
ハンカチを目頭に当てて泣き崩れるお母様を、侍女たちが支えながら部屋へ戻っていった。
「私、学校の入学は諦めますわ」
マリエットが伝えると、レオハート国王陛下が首を振る。
「残念ながらそれは、出来ないんだ。16歳なる子供は、全員、王立学園へは必ず行かなくてはならないんだ。ご両親の心痛は分かるが、我が国では決まってるんだよ」
「そうなのですね──」
不安になって、俯く私にロキシーが、しゃがんでソファーに座る私の手を握り声をかけてきた。
「マリエット嬢は、俺が必ず俺が守る。そのための護衛だから」
その言葉に、マリエットの目に熱いものがこみ上げた。転生してからも、ロゼッタの件を含め、何も言わずそばで支えてくれたロキシーの優しさが心に染み渡る。
────
入学式の熱気が残る校舎で、マリエットは自分の席へと向かう。
「私は、1のAですわ」
幼い頃から家庭教師に「秀才」と言われ、ほとんど本に囲まれて育ったマリエット。首席クラスのA組に入ると、後ろにはロキシーがぴったりと付き添っていた。その背中に少し不思議な感覚を覚える。
「王都の騎士団副団長様ですわ」
「まあ、どこの王族の方がしら?」
「素敵な方ですわね」
マリエットとロゼッタの件は貴族の間でも噂になっており、未だ妹の行方は誰も知らない。
「では、護衛騎士の方は廊下でお待ちください」
担任の先生の言葉に、ロキシーは剣の柄を握りしめて応える。
「いえ。国王陛下より、マリエット嬢の身辺護衛を任されている。側を離れることは出来ません」
マリエットが窓際の席に座ると、隣にはロキシーが立ち、動かない。異例のことに、教室が騒がしくなる中、先生は咳払いをし、転校生を紹介することに。静かな廊下に、ヒールの音が響く。漆黒のストレートヘアに、黒と紫の制服を纏った少女が入ってきた。スカートの裾を持ち上げ、優雅にカーテシーをすると、教室の空気は一瞬で変わった。男子の頬が赤く染まる中、ロキシーは表情を変えず、マリエットを守ることに集中していた。
「皆様、ごきげんよう。フィオーレ・ルシフェルです。お気軽に、フィオと呼んでくださいね」
顔をあげるフィオーレ。薔薇の花が咲くような笑顔に、クラスの皆から拍手が巻き起こる。先生が、席はどこにするかと悩んでいると、フィオーレがスっと指を指す先には、マリエットの隣を意味していた。
「それでは、フィオーレさんあちらの席へ座ってくださいね」
フィオーレは優雅に席まで歩み寄り、スカートを整えながら腰を下ろした。その瞬間、マリエットの心臓がわずかに跳ねる。漆黒の瞳が、自分をじっと見つめている――まるで全てを見透かされるような視線だった。
「お隣同士、よろしくお願いしますわ」
柔らかな声と笑顔に、周囲のざわめきはさらに高まる。マリエットは一瞬、椅子から崩れ落ちそうになった。
その握手の瞬間、彼女の手に触れた手は、まるで氷のように冷たく、肌の奥までひんやりと響く感触だった。
――普通の人間のものではない。何か……。
不安に胸を締め付けられたマリエットは、周囲に悟られないようにそっとロキシーの騎士服の袖を握った。
冷たい握手の感触が頭から離れない。ロキシーが、ソッと私の手を見えないように握ってくれたのだった。不安に押しつぶされそうになっていた心が、溶けていく感覚に、ゆっくり息を整えているとフィオーレが顔を覗き込むように、マリエットに話しかける。
「あの…顔色が…ご気分が悪いのですか?」
「いえ、大丈夫ですわ」
クラスがざわつく中、フィオーレは背筋を伸ばし、窓の光を浴びながら静かに座る。その姿は何事もないかのように振る舞う一方で、教室全体の空気を密かに支配しているかのようだった。
ロキシーは前を向きつつも、マリエットの合図を意識し、異変の兆しを逃さぬよう神経を研ぎ澄ませていた。
(お姉様、お覚悟はよろしくて?)
静かに笑みをこぼすフィオーレに、その憎しみに狩られたロゼッタの笑みを見たものはいない。
フィオーレは誰なのか( 'ω')?と思うかもですが、フィオーレになったところも、次回で明かせたらいいなと。なかなか、煮詰まりすぎて何をどう書こうか悩んでいて、執筆に捗らない作者なので、ブックマーク登録、高評価ボタン、リアクションボタン応援よろしくお願いします(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”




