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メルの不思議な変化(後編)

朝メルを起こしに、ロキシーが部屋に入りなかなか起きないメルの体を、揺り起こすと⋯⋯まさか、メルが大人になってしまってるとは思わず、慌てて部屋に入ってきたオルハート、シュゴも目を丸くして驚く⋯⋯


ロキシーの叫ぶ声が宿中に響く。先に、食堂でオルハートと、シュゴが、今日の予定はどうするかと、紅茶に口をつけようとカップを持ち上げた瞬間、ロキシーの叫び声を耳にし、椅子から同時に立ち上がった。


「オル、二階でなんかあったのか?」


「嫌、ロキシーに、メルを起こしてくれとしか⋯⋯」


「とりあえず、二階に見に行くぞ」


二人は慌てて、宿屋の二階の階段を駆け上がると、メルの部屋のドアをバンッと、シュゴが開けた。シュゴが、立ち止まっている後ろで、オルハートが部屋に入るとベッドに座って、寝ぼけ眼で目を擦るメルの姿に、驚いて固まった。昨日までの姿とは違い、手足がスラリと長く、顔も違って見えるが雰囲気は、メルそのものだった。細い指先で目を擦る姿が、大人の女性に変化している。昨日着ていた、パジャマが敗れて所々、肌が露出しているのに気づいたシュゴが、床に落ちている、ブランケットを拾うと、メルの肩にかけた。


「どうなってるんだ?オル」


「⋯⋯嫌、俺にも分からん」


「あ、ロキシー、オル兄、シュゴおじちゃん⋯⋯おはよう」


欠伸をするメルと、あまりの衝撃に、ロキシーは、耳まで真っ赤になりながら、ハンチング帽を顔を隠して床に伏せっていた。


「僕は、見てない⋯⋯何も見て⋯⋯」


✧─────────── ✧


宿屋の女将マーガレットは、年配の女性で宿屋を切り盛りしてるだけあって、騒ぎを聞き、二階のメルの部屋の様子を見に来てくれたのだが、扉の前で呆然と、立ち尽くす、オルハートたちに 声をかけた。


「ドアの前で!全く朝から、騒々しいね!」


オルハートたちを、押しのけるように部屋の中に入るマーガレット。


「あらまあ⋯⋯」


「えっと⋯⋯どう説明したらいいのやら」


シュゴが指で頬を掻きながら、答える。あまりの衝撃に声すら出ずに、立ち尽くしたままのオルハートの姿見た、マーガレットが、大きなため息を漏すと、パンパンと自分の手を叩いた。


「さあさあ、男は出ていった!」


「え?」


「え?じゃないだろ?この状況で、男は邪魔だよ!さっさと出ていきな!」


男三人をまとめて、マーガレットが部屋から、つまみ出すと部屋の扉をバタンと、閉めた。


「さて、奥から何か着れそうな、服を持ってくるからメルちゃん、ちょっと待ってるんだよ」


マーガレットの言葉を聞いて頷くメル。マーガレットが、腰に手を置いて部屋を後にした。ワンピースや、靴や下着、青色の細いリボンに、ハサミが入った籠をマーガレットが脇に抱えて、メルの部屋に戻ってきた。


「これは、私が若い時に着てたんだけど、ちゃんと綺麗に保管してたから、汚くはないからね。役に立たない、男どもには、洋服を買いに行ってこいと伝えたから」


マーガレットのハキハキした言葉に、メルは小さく頷いて、自分で洋服を着替え終わると、マーガレットに椅子に座ってと言われ、椅子に座るメル。


「こんなに伸びたら、踏んづけて転んじまうから、邪魔にならない程度に、切らせておくれ」


頷くメルの髪色は、まるで絹糸のような細くサラッと風になびいて、金色の髪色は白銀の髪色に変わり、背も伸びたせいか、見える世界も違って見えた。メル自身も何が何だか、よく分からない変化に、戸惑っていたが、そこは変わらないのが、メルのお腹の虫。相変わらず、規則正しく、鳴り続けていた。


「ふふ。さあ、出来たよ!鏡で見てごらん」


「わあ⋯⋯マーガレットさん何だか、自分じゃないみたい」


マーガレットが手鏡をメルに渡した。マーガレットが若いときに着ていた、古いワンピースだけど、メルの今の体型にピッタリと、体に合っていた。髪は床につかない程度に切って整えてもらうと、ハーフアップにまとめ髪にし、水色のリボンで髪を結ってもらうと、鏡に映る自分が、自分じゃないように見えて、驚いてるメルの肩を、マーガレットが、ポンと叩いた。


「さあ、朝ごはんが冷めちまうよ?」


メルが食堂に、降りていくと丁度買い物から帰って来たオルハートたち。食堂にいた、お客さんたちが、見違えたメルの姿に、騒ぐ客たちに、片足をダンっと床を踏んで、マーガレットが、手を叩いた。


「さあさあ!口を動かすなら、さっさと食べちまってくれ!食べないなら食事の皿、全部下げちまうよ!」


マーガレットの一括に、周りのお客さんは、慌てて口を閉じる。いつもの椅子に座る、メルのテーブルに、マーガレットが、モーニングセットのお皿をテーブルに置くと、メルが焼きたての柔らかいパンを手に取って、匂いを楽しんでから、小さくパンをちぎって、ジャムを沢山つけてから口に頬張る。美味しいとかならず、手を頬に置いて笑顔になるメルの癖。いつものメルだと、ホッとして、オルハートたちも、朝食を食べ始めるのでした。

前編と後編でお送りしましたが、どうでしたでしょうか??

次回は、王の謁見を執筆して書いていこうかなと思っていますのでお楽しみ✨


表現不足、誤字脱字、漢字変換ミスなどまだまだございますが、生暖かい気持ちで読んでもらえると嬉しいです。


読書の皆様に作者からのお願いごとです(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”


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