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子を想う代償の呪い

王太子となった今、ノワール国王陛下が、呪いに倒れた理由とは?レオハートの旅が今、始まろうとしていた。


あれから、20数年────

レオハート・アバンド・オリエンダ・王太子は、25の歳になっていた。7歳の時、イネル師匠の弟子となり、一緒に旅をしたり、より強くなるために隣国の戦争や魔物討伐などにも、強くなるのため、剣を振るう日々を過ごしていた。


⟡⎯⎯⎯⎯⎯王城⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ⟡


「母上、お変わりはありませんか?」


長旅から、レオハートが戻り、リズ・アバンド・オリエンダ王太后に、久しぶりに逢いに来ていた。レオハートは、母上の部屋をノックすると手を胸に置き膝をついて、母上に挨拶をした。


「私は、相変わらずで大丈夫よ。それよりも、レオまた傷が増えたんでは?」


母上が俺の首元や、服を捲り上げて確認しては、俺の傷や深手の古傷を見ては、心配してオロオロしていた。


「母上、私は平気です。この傷は、強さの勲章でもあります」


レオハートの強い眼差しに、母上も少し複雑そうな瞳で、俺の頬を優しく撫でていた。


「して、父上の容態は、どうですか?」


レオハートの言葉を聞いた母上が、小さく身体が震え、持っていたハンカチを目頭に当て、泣いていた。母上の背中をさする俺は、父が気になり侍女に母上を任せ、床に伏せってる国王陛下の寝所の扉を小さく叩いた。


「国王陛下、レオハートです。」


天蓋が下ろされ中の様子は分からない。静かに部屋の中に、足を踏み入れると、国王陛下の寝息がかすかに聞こえた。起こさないように、レオハートが、ソッとベッドのカーテンを開けると、数ヶ月前に、来た時よりも、更に顔色が悪く、頬が痩せこけていて昔の父の面影がなく、変わり果てた姿に、レオハートは、グッと唇を噛み締めていた。


そう────



5年前の大きな、国同士の戦争で、ノワール・アバンド・オリエンダ国王陛下が、魔術師の魔法から、俺を庇い、呪いを受けた父上は、死よりも苦しむ魔界の呪いにかかってしまったのだ。それから父上は日に日に、命の灯火が減っていく姿を、レオハートは、当時の自分の未熟さと、弱さを悔やみ続けながら、師匠と一緒に、父上の呪いの解除方法を見つけるため、色んな国を旅をして探し回ったが、見つかってはいない。時間だけが、無情にも過ぎる歯がゆさに、焦りだけが募っていった。


戦争の代償はあまりにも大きく、自責の念から、レオハートは、海を超える決心をし、新たな物語が今、始まろうとしていた。


⟡⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ⟡

第2期の執筆になります。新しい物語を更新していませんでしたが、少しずつ新章を更新して行きたいなと考えていますので、ブックマーク登録、グッとスタンプ評価など、☆評価お待ちしてますので、応援よろしくお願いします。

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