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心の痛み

ノワールと再開したリズだったが、彼はリズを忘れてしまい、リズはどうするのか?


第11話始まります。


王城にノワールが戻ったことを知った

リズがノワールの寝室に走った。


「お嬢様!走っては駄目です!」


ミルティーに止められたが

1秒でもノワールの胸に飛び込みたかったのだ。


「ノワ!」


バンッとノワールの自室の扉を勢いよく

開ける姿は、淑女らしからぬ作法だが

ノワールともう半年以上逢えなかった分

リズの寂しさが溢れて、勢い余って飛び込んだ。


「?」


ノワールの表情がおかしい。いつもなら

「リズ!」って言ってくれるのに言わない

ノワールの表情に、不思議に思いながらも

部屋の中に入りベッドに近付くリズ。


「ノワ…。ノワが行方不明で、すっごく、すっごく心配したんだからね。」


ベッド付近にロイが立っていて顔を曇らせながら

視線を下げる。ノワールがベッドに座ってる

隣にリズが座ろうと、ノワールの手を取ろうとした時。


「誰だ?」


パシッとリズの手を払いのけられ

リズがノワールの顔を見上げると冷たい瞳で私を睨む。


「愛称で何故、お前が俺を呼ぶ?ロイ、誰だこの女は?」


低く冷たい声にリズの手が小刻みに震える。


「リズ様は、殿下の婚約者です。」


「は?俺の婚約者?ハハッ!悪い冗談だろ?

こんな女、俺は知らない。ロイ、さっさとつまみ出せ。」


ギロッとロイを睨みつけるとリズの体は

固まってただ震えていた。ロイがソッとリズの

肩を抱き上げると部屋を後にした。


「ノワ...?何で?」


扉が閉まると、廊下でリズの瞳からは

ぽたぽたと大粒の涙が溢れて体はガタガタと震え

呼吸がおかしくなりヒューヒューと呼吸をし

立っていられなくなったリズはズルッと

体から力が抜け落ち気を失った。


「リズ様!!」


ロイが慌てて抱きとめるが反応がなく

急いでシュゴとミルティーの2人が

リズに駆け寄りシュゴがリズを抱き上げると寝室に運んだ。

主治医からは、精神的ショックから気を失い

母体の安全を考え殿下と逢せない方がいいいと

言われ、誰もが方を落とし視線を下げた。

次の日の朝リズが目を覚ますと

隣でミルティーが椅子に座って

私の手を握りウトウト眠ってる姿に

昨日の事は夢じゃないんだとリズは静かに涙を落とした。


ロイから説明をされた内容を聞いたリズは

それから自室にほとんど籠るようになった。

一時的な記憶喪失、私を覚えてないこと

何もかも覚えてない事の悲しみでただただ

涙を流すしかなく、私が記憶喪失の時ノワールも

同じだけ悲しく泣いたのかなと思うと

小さくごめんねと謝るばかりの姿に

ミルティーが少し王城の庭を散策してみてはと

言われ、少しだけ散策することに。

王城の庭園は、色んな花が咲き乱れていて

今は、薔薇が見頃でリズは久しぶりの陽の光と

薔薇の香りに包まれて沈んでいた気分が少し

晴れたような気持ちに。


「お嬢様、あちらの東屋(ガゼボ)でお茶にしませんか?」


遠目に見える白い東屋を見てリズが頷く。

ゆっくり歩くと東屋に人影が見え

それがリズには、ノワールとすぐ分かった。


「ノワ?」


リズが呟くとミルティーが、まずいと

引き返そうとした時、笑い声が響いた。


「ねぇ、元気になったのはいいけど、なんでそんなに、楽しそうなわけ?」


「君と話すと、表情がコロコロ変わって次はどんな顔するのか見たくなるんだよね。」


くつくつ笑うノワールの声に知らない女性の

ドレスの色を見たリズの顔色がサッと青くなった。

ノワールの瞳の色の淡いドレス色に

リズは後ろによろけて、カツンとヒールが鳴った。


「誰だ!」


低い声が響くとリズは、固まってその場から

逃げられず小さくヒュッと喉がなった。

ミルティーがすかさずリズの前に立ちはだかると

ノワールに深くお辞儀をしながら


「王太子殿下、お邪魔してるとは知らず申し訳ありませんでした。」


ミルティーの肩を手で押しのけ

リズの手首を強く握り締め睨みながら怒号が飛んだ。


「何で、お前がこの城にまだ、居るんだっ!」


リズの体がカタカタと震えだして涙が今にも

流れ落ちかけていた。


「あ、あ...。」


声に出せないリズに苛立ち、ノワールが

ドンッとリズの体を後ろに押して舌打ちをした。

ノワールに押され、足がもつれて、リズの体がバランスを崩し後ろに倒れかけた。

その姿をを見たミルティーが、青ざめ手を伸ばしリズの名を呼んだ。


「リズ様!危ない!」


間に合わない姿勢に地面に手がつくと

目をリズがギュッとつぶったが、痛くない。

地面に叩きつけられたはずなのに、体が痛くない。ソッと瞼を開けるとガシッと優しくリズの

肩と腰を支える大きな優しい手を見て

リズが見上げると、バルバードが後ろに立っていた。


「お、お兄様?」


バルバードが立ちはだかるとギリっと

奥歯をかみ締めながらノワールのしたことに

怒りを表してリズをスッ後ろに隠し

ミルティーが慌てて、リズを支えた。


「お前、いい加減にしろよ?」


バルバードがノワールの胸ぐらをギリっと掴むと

殺意を放った、威圧にその場がひんやりとした。

ロイとギイがリズたちの後ろから

慌てて走って来て状況が状況だけに

今は、バルバードの手を下げるように促した。


「てか、お前、誰だよ?

俺の時間邪魔するこの女が悪いだろうに。

てか、王太子の俺に手を出そうとしたよな?

暴行罪でこいつを、牢に入れろ。」


バッとバルバード手を払いのけ、パッパッと

服をはたいたが、ロイもギイもバルバードを

捕まえなかった。それに苛立ちを表すノワールが


「使えない、従者はいらないんだけど?」


ギロッと威圧するノワールにビリビリと2人の体が震えた。

バルバードを連れていこうとした時

リズがバルバードの前に立ちはだかると

ノワールをキッと睨みつけた。

次の瞬間、思いっきり、歯を食いしばった

リズがノワールの頬を平手打ちをした。


「パーンッ!」


ロイ、ギイ、ミルティー、そして

バルバードが口をあんぐりと開いて

目を開き、リズの光景にびっくりしていた。


「バルバードお兄様は、関係ないわ。

私のことを忘れるくらいなら

それくらいの愛しかなかったってことよね?

いいわ、もう貴方なんか要らない、必要もないわ。

こっちから、婚約破棄させていただきます。」



「さよなら、もう二度と逢うことは、ございませんので、ノワール王太子殿下。」


リズが冷たく吐き捨て、カーテシーをすると

サッとドレスの裾を持ち

バルバードの手を掴んで来た道を帰って行った。

ノワールは、叩かれた頬を手で抑えながら

赤くなった頬を見ているロイたちは

いつものリズだと吹き出しそうになる光景に

笑いだしそうな気持ちを必死に我慢し、ギイと咳払いが重なった。


「あの、じゃじゃ馬やりやがったな。」


ノワールが何を考えてるか分からないで

ウジウジ悩んでいたが、リズの性格には合わないと

目が覚め自室に戻ると実家に帰るとミルティーに

言い荷物を纏めてと指示を出した。

こんな王室なんか、こっちから出て行ってやると。

コンコンと部屋のドアをノックされミルティーが

扉を開けると、バルバードが部屋に入って来た。


「バルバードお兄様!」


たったと走る姿はあの時のままだが

今は、リズだけの体じゃないことにバルバードが


「リシェール走っちゃ駄目って言われただろ?」


バルバードの腰に、抱きつく彼女を見て

相変わらず変わらないなと、小さく笑うと

ソッとリズの頭に手を置く。

パッと顔を上げながら、舌を出して、謝るリズ。


「帰るの?」


腰に抱きつきながら、離れず顔を隠している

リズ。顔をすりすりとしながら、頷くリズに

自分の思いが揺らいでキュッと小さい体のリズを

抱きしめると、リズの体が小さく震えていた。

泣いていることに気付いたバルバードの拳がギュッと強くなる。


「私の家においで。」


「でも、皆に迷惑なるでしょ?」


「いや、父上たちも久しぶりにリシェールに逢えたら喜ぶよ?」


「うん。でも、自分の両親にちゃんと話してから行きたいかな?」


「そうだね。それまで待つよ。」


「お兄様も、我が家に一緒に行きましょ?部屋なら余ってますし。」


パッと顔を上げると、いつもの笑顔なのに泣いた

リズの涙の跡にソッと指で涙を拭うバルバード。

その後、リズたちは王城を後にしもう二度と

ノワールとは逢うことはないと馬車の窓から

小さく『さよなら。』とリズが呟くと疲れたのか

隣に座っていたバルバードの肩にリズの頭がもたれ掛かり

眠りにつくリズの肩を抱き寄せギュッと掴んだのだった。

新作を書き上げ載せると沢山の読者数がついて

すっごく嬉しい、猫又 マロです。お正月も終わり

インフルエンザ、肺炎、喘息も落ち着いき

在宅ワーク中のマロですが、4日ほど胃腸を壊して

グロッキーでした。いつまで不調続きなんだと嘆いても小説は書きたくてw


1月中に、この物語を書き終えたいなと

思いながらなかなか、進まない小説活動ですが

皆さんの応援が、執筆活動の活力なります。

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