第四十六話 旦那様からではなく私からでした
新規ブクマありがとうございます。
前回のあらすじ
スエレ「教えてください」
旦那様「あとでノルカに聞いて」
スエレ「やっぱり知りたいです」
旦那様「しょうがないな」
基本的にスエレに甘いのです。
私が何者であるかの質問に旦那様は少しの間の後に口を開きました。何処か大きな覚悟を感じました。
「ユレリビ聖王国、かつて存在していた国の名だ。そこの王女だった」
「王族だったんですね」
自分のことながら現実感が湧きません。だから今の話が実はドッキリだったと言われても驚きません。
「先程言った通りディエレーズの命令で私が派遣されたが……紆余曲折あった。様々な事情が絡んでいて説明がしづらい。
テアトル達、魔人達、シェーヌにイエルテェが関わっている。それにソニアも一枚噛んでいる筈だ」
……何があったのでしょう? テアトル大将達は旦那様の手助けに来たのだとなんとなく分かりますが、シェーヌさんやソニア様も関わっているのは予想外でした。
「細かな事情は省くが重要なのはスエレが聖王だったことだ」
「聖王? ……聖女とは違うのですか?」
「聖女を束ねる存在、聖女達の王、故に聖王と呼ばれている。単純な出力が最低でも聖女の数十倍だ。そしてスエレは歴代の聖王の中でも類を見ない程の能力であった。だからディエレーズにとって目障りだった」
私の存在が許せなかったということですか。私が何かするつもりはなくても向こうにとっては関係ないのでしょう。
「ディエレーズは元々ユレリビ聖王国を滅ぼすつもりだった。スエレが産まれたことで予定が早まったらしい。念の為に言っておくがユレリビ聖王国を滅ぼしたのはディエレーズではない。ユレリビは隣国から攻められて滅ぼされた。だが待機していたテアトル達が参戦したことで隣国の軍隊を壊滅させたことで現在は共にヴァルナムシア……厳密にはフリングル公爵領の保護地域になっている。
公的にはユレリビの王女は亡くなり聖王の血筋は滅んだことになっている。事実を知るのは一部だけだ」
最初に思ったのは滅んだ国に残された人達のことでした。公爵様が管理している保護地域になっているのなら平和に暮らせているのかと安堵しました。
また、私自身の事は意外にも衝撃を受ける事はありませんでした。
「私はそのままヴァルナムシア帝国フリングル公爵領に行きお嬢様の侍女になったんですね」
「……………まあ、そんな感じだ」
長い間があったことで何かを察します。そして気づきます。
「旦那様……もしかして私、ヴァルナムシアに来る前からあの子達を」
「……身籠っていた」
婚姻を結ぶ前に授かったのですね。順序が違うのではと思いました。
「そう考えると旦那様も結構ケダモノさんですね」
「……これを言って良いのか迷っているのだが」
私はどうぞと余裕の表情をします。はしたない話ですが旦那様に襲われていたという事実が高揚感と優越感があったのです。
「お前の方からだ」
「え?」
「私がお前を襲ったのではない。お前が私を襲ったんだ
一瞬、何を言われたか理解できませんでした。
「あの、冗談ですよね?」
「こんな事を冗談で言うわけない。かなり計画的だった。邪魔になるノルカを遠ざけておき、私が動かないように拘束し」
「すみませんっ!! この話はこれ以上続けるのはやめましょう」
自分で自分を嫌いになりそうです。……それからこの流れでは旦那様と……できないです。
「別に不快ではなかったからいいだろう。それにお前は随分楽し」
「だからやめましょう!! 私が悪かったんです。許してくださいっ!!」
はしたなくて情けなくて恥ずかしくてもう駄目です。
そんな私を旦那様は何も言わずにそっと頭を撫でてました。
(仔犬になった気分です……)
私はだらしなく無防備な表情をしていたかもしれません。
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