第四十二話 二人だけになりましたので
お久しぶりです。
二週間ぶりの更新になります。
私とリロードさんの住む場所として用意していただいたマンションに来ました。
部屋の中は整理されていましたが必要な調度品が揃えられています。
「わぁ、凄いですね。広いです。それに豪華です」
「フリングル城の方が大きいだろう」
「うーん、大きさはそうかもしれませんけど豪華とか奢侈的な感じはなかったですよ。機能的だとは思いましたけど」
公爵様は奢侈を尽くすのを嫌っていたのもあってお城にある調度品は機能性を重視していました。
「……お前は豪華絢爛な方が良いのか?」
「そうではないですね。憧れを感じる部分はありますけど私には手に余そうです」
何よりも何処に住むのでは無く、誰と一緒に住むかが大切なのです。
それに旦那様と二人きりのシチュエーションはトキメキます。
でも……
「双子ちゃんやお嬢様も一緒にいれば……」
「終われば会える。暫くは会えないが寂しいか?」
「それは勿論です。でも旦那様と一緒なのは嬉しいですね」
二人の時はリロードさんの事を旦那様と呼ぶ事に決めました。旦那様は少しだけ戸惑いがあったみたいで顔を背けました。
「もしかして照れました?」
「はぁ、そうだな照れた」
少し呆れた言い方をされます。これ以上言うと機嫌を損ねてしまいますので止めておきます。
旦那様と手分けして部屋を確認し終えるとソファに座ります。
「……学校楽しみです」
「そうか」
「それに櫻子さんと一緒なのも」
仲良くなった人と同じ場所で学べるのは幸福な事です。ふと私は思いました。
「大淀さんのお願いはどうするんですか? 私も手伝いましょうと余計な事を言ってしまいましたが」
「ソニアの件とも被るが助ける事は変えなくて良い。イエルテェの話では二ヶ月後に何かあると言っていた事と関わりがあるだろう」
「……争い事になる可能性があるんですね」
最大の不安点です。予感に過ぎないのですが大きな争いが待っているのです。それに旦那様は予感ではなく確信していました。
「相手がイエルテェだからな。お前は覚えて……忘れているが奴が関わる以上は確実に命のやり取りをする」
「避けられないって事ですね。テアトル大将もノルカさんも居ないのに……」
それに旦那様は弱体化しています。とても戦える状態とは思えません。
「出来る限りの事はするさ。だが此方側の戦力は乏しいのは事実だ。シェーヌが一番の戦力な上にソニアも換算する必要もある」
シェーヌさんはともかくソニア様は複数の意味で信用できません。でもそんな彼女にも頼らざる得ない程に余裕が無いことでした。
「忘れているから向こう側の戦力を説明するが、まずイエルテェは私の先祖だ。世界最古の知的生命体と云われていると自称している」
自称なんですか。でも旦那様のご先祖であれば強いにきまっています。
「イエルテェの娘のエルチェイズ、エルチェイズの執事である耕斎、それからイエルテェの四体の配下である四身とリゲルというレプリカ武器使いがいる。
他にも連れてきた配下や現地協力者もいるだろう。私が全快の状態でも手こずる相手だ。しかし、此方の増援は期待出来ない。テアトルとは言わなくともノルカが居れば良かったが」
無いものねだりをしてもしょうがない事ですが、どうしてもノルカさんが居てくれればと思ってしまいます。
「とはいえ手立ても希望も無いわけではない。……そんな事は今考えなくてもいい。お前は暫く休暇と思って学校を楽しめ」
学校に通うのに休暇とは? と思ってしまいますが旦那様の言いたい事は分かっています。
「ありがとうございます。少しこちらに」
私は旦那様を手招きします。私の行動を旦那様は察していたのかもしれません。でも気づかないふりをしてくれました。
私は旦那様の顔に近づけて私は旦那様と唇を重ねました。
いつも最後まで読んでくださりありがとうございます。
次回は水曜日の18時〜20時の更新になります。
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