表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ベトナム旅2023年編  作者: 鈴川愛夏
3/5

ダナンな一日

鍵が壊れている一泊600円の宿は、泊まると自動的に朝食が付いてくる。ブッフェ、なかなかの味だ。

ダナンといえばビーチリゾートを楽しむ場所なので、徒歩で15分くらいで到着出来るミーケビーチを歩いた。海は美しいが、ビーチリゾートでのバカンスは、私が求めている旅とは違ったので20分くらいで海に見切りを付け、海を後にした。迷子になりながら、ぼったくられなさそうな流しのタクシーを探し歩いた。

灼熱の太陽、茶色い空気、独特の臭い匂い、大量のバイクの排気ガス、街中に響き渡るクラクションの音に包まれながらタクシーに乗り、タクシーの運転手が普通に良い人で驚いた。観光客がたくさんいる市場に行っても面白くない為、地元民しかいないというバックミーヤンマーケットへ向かう。バックミーヤンマーケットの市場は、カオス過ぎてテンションが跳ね上がった。これこれ、こういう景色なのだよ、私が求めているものは。


地元民の若者に人気なアボカドアイスクリームを注文してみた。アイスクリームの筈なのにちっとも冷たくなかった。でも、味は美味しい。少しの時間まどろみ、その後ドラム缶を机にしたカフェに入り、ベトナムコーヒーを頼むと、ジャスミン茶がついてきた。どちらも口に拳を打ち込んでくる位美味しい。一撃でベトナムコーヒーにハマってしまった。カフェの中には、午前中からトランプで何かのゲームでお金をかけている人たちが集まっていた。カフェの経営者も一緒になって賭け事に勤しんでいる。会話は通じないけれど良い人たちだ。

Wi-Fiパスワードを聞いて、GRABでタクシーを呼び、マーブルマウンテンの五行山へ向かうことにした。日本円にして350円くらいのタクシーを降りてご機嫌に五行山受付でエレベーターで登るチケット買うと、ぼったくられたことに少しして気が付いた。


おいおい、日本円にして2000円以上のお金をぼったくられたぞ…あまりにもの暑さやら何やらで、戻って揉めるだけの気力が削がれて、私はぼったくりを受け入れるという仏様みたいな境地に至った。


マーブルマウンテンでは毎分事件が起こる。事件が起こりすぎて何を書けばいいのか分からないくらいだ。


気温37℃くらいの灼熱の中の登山&下山&トレッキングはキツい。私はベトナムまで来て何の苦行を行っているのだろうか…いや、余計な事を考えるな、自分。 


無事五行山から生還した私は、お腹が空いたので五行山麓のカフェ&食べ物屋さんに立ち寄った。バインミーの牛肉味、パッションフルーツジュース、フライドシーフードヌードル、どれをとってもほっぺた落ちる程の美味しさであったので、調子に乗って、エッグバインミーと、ベトナムココナッツコーヒーまでをも注文した。


困ったことに、人間はやはり動物なのである。食べ過ぎたり、暑すぎたりすると、動きたくなくなるのだ。それにしても暑い、エアコンという文明が恋しい。グラブでタクシーを呼び、宿に戻ることにしたが、1台目にはぶっちされてタクシーが来ることはなく、お金だけクレジットカードから引き落としされる羽目になった。二台目でやっと宿まで戻れた。替えの服を持参してこなかった私は、宿の近くでペラッペラの服とシャンプーとコンディショナーを買い、シャワーを浴びて着替えて、パチンコの聖地ミリオンゴッドゲーミングへと向かった。日本円にして3000円を溶かしたらやめるつもりで来てみたミリオンゴッドゲーミングで勝負した北斗の拳は、当たりを引き続け、日本円にして56000円の儲けを出してしまった。ABCマーケットで勝ち分をベトナムドンに換金し、一旦宿に戻り、グラブでタクシーを呼んだ。


行き先はホイアンである。

ホイアンに行く道すがら、タクシーの運転手はグーグル翻訳を駆使して、私にこう提案をしてきた。

ホイアンに行く前にココナッツフォレストへ行かないか?お金は取らないから、と。もちろんココナッツフォレストが何かも知らない私は、面白そうな方向へと道を反れる事が大好きなので、即答でYes,please!と言った。ココナッツフォレストへ行くと、円系の船があり、一寸法師みたいな船に流れで乗ることになった。もちろん船に乗る代金は値切りまくった。いやはや、タクシーの運転手さん、グッジョブ。何か、この円系の船楽しすぎますぜ。

ココナッツの湿地帯を手漕ぎの船で進む。途中、水上ショーが至る所で開催されていて、自分も参加したりして、夕暮れの川の上で数え切れない観光客が見守る中、大音量の音楽と共にぐるんぐるんに船を回され、この上ないほど目が回る体験をすることとなった。船から降りると、タクシーの運転手がお迎えに来てくれて、ホイアンまで運んでくれた。


ホイアンに着いて早速したことは、船に乗ることであった。自分どれだけ船好きやねん…

手漕ぎボートで夜ランタンが散りばめられたホイアンの川や街並みを眺めながら無心になった。船から降りて、ホイアンのナイトマーケットで服を買おうとしたのだが、価格交渉に命を賭けている私は、ついつい値切り過ぎて、笑いながらベトナム人のマダムにバシバシ腕をしばかれつつ長い価格交渉を行った。服を無事にゲットした瞬間、マダムに出身を聞かれて、日本と答えたら、なんだ〜あまりにも値切ってくるから韓国人かと思った〜と言われたが、空気はとってもフレンドリーな感じで、ハイタッチとハグをして服屋さんを後にした。

ホイアン行きのタクシーの運転手に迎えに来てもらう約束をしていたので、タクシーの運転手と待ち合わせた場所へ向かい、夜10時に宿に戻った。 



宿に戻ったがじっとしていられない気分になった。

寝台列車でフォンニャケバンという世界一の鍾乳洞が見てみたくなったからだ。ネットで寝台列車を調べまくるが、寝台列車のチケットがネットだと、ベトナム内だけで作るクレジットカードを持ってないと取れないシステムになっていた。今夜出発したいのに…ねぇ、ベトナム統一鉄道………勘弁して…



宿をチェックアウトしてダナンの駅に直接行って寝台列車を予約しようと試みたが、どうやら夜は眠る街ダナンである。


駅は見事に閉まっていた。

そこでスマホの充電が切れた。

あれ〜…今日どこに泊まろう?もう深夜1時だよ?



異国の地で私はスマホの充電も、宿も失ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ