御所の鬼(13)
鬼が得物を手にする前に・・・何人かは鬼の背に斬り付けてはいたが、鬼はそれに痛痒も感じている風ではなかった。
鬼が先に十輪寺に入った。
鬼達は一気にそこの宝物庫に雪崩れ込もうとした。
「防げ、防げ・・・鬼に得物を持たせたら、手が出せなくなるぞ。」
安藤宗重が大声を上げ、隊員達は宝物庫の前の鬼達に斬りかかった。
素手の鬼達を相手にそこで激戦が始まった。
鬼に力が通じる者も幾人かはいる。だが殆どの者はその力は持っていない。
「これを使え。」
いつものように城ノ介は宗重に自分の脇差しを手渡した。
お前は・・・宗重は気がかりそうに城ノ介を見た。
これで充分・・・城ノ介はいつも肩に担いでいる木刀を、ぶんと振って見せた。
「俺が鬼を打ち据えたら、あんたか、あんたの部下で首を落とせ。
意識を失っている間は、鬼の力も弱まる。」
そう言う城ノ介の活躍で十輪寺の宝物庫は何とか護っていた。
だが・・・
「あれは何だ・・・」
隊員の一人が土煙を指さし、叫んだ。
猛り狂った猛牛のように鬼が駆けてくる。
その後ろには十匹近い赤鬼やら青鬼が続いている。
その勢いに京見廻組の面々はたじろいだ。
その隙を突き、その鬼は長大な金棒で宝物庫の扉を叩き壊した。
そこに復活した鬼達が殺到する。
駆けて来た鬼達はそのまま東に向かった。
「もうここに居る意味は無い。
街中に向かったらどうだ。」
城ノ介はそう宗重に促した。




