御所の鬼(3)
おーい・・・紅蓮坊は賊の塞門を叩いた。
何事だ・・と数人がそこに向かってきた。
「仲間になりに来た。」
仲間だと・・中から吠えるような声が響き、その後を笑い声が追ってきた。
「仲間にしてやらんでも無いが、明日出直してこい。」
「明日じゃ遅い。」
紅蓮坊は割れ鐘のような声を発し、鬼の金棒で門扉を打った。
その勢いに扉どころか塞門までががらがらと崩れ去った。
その大音に草葺きの家から残った者達も飛び出してきた。
「やって来たか、糞虫共が。」
集まった賊の目に映ったのは、身の丈七尺を越える大男の姿だった。
その男は六尺ほどの金棒を手にしていた。
紅蓮坊の魁偉な姿に、肝を飛ばし、ガタガタと震える者もいた。
鬼だ・・・誰かが言った。
「鬼だと・・鬼はお前達の中にこそ居る。
その鬼をここに出せ。」
紅蓮坊は吠えた。
なにを・・・一人が突っ掛かってきた。
巴に言われた・・・紅蓮坊はどすんと金棒を地面に突き刺し、大手を広げた。
剣が彼に目掛け走る。
紅蓮坊はそれを腕巻きで受け、その頬を素手で張った。
突っ掛かってきた男は宙を飛び、地面を滑った。
もう既に、その男の意識はここには無かった。
「さて、どうしてくれよう。」
紅蓮坊は、ぱんと一つ手を叩いた。
本物の鬼だ。奥に伝えろ・・・一人が震えながら大声を上げた。
賊の一人が奥へと走る。紅蓮坊はそれをわざと見逃した。




