表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神さまの願いを引き受けたおじさん  作者: 光晴さん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/38

第22話 次の保護対象




「美味いっ!」


囲炉裏を挟んだ義綱君が、俺の作った夕食を美味しそうに食べている。

昨日まで戦に出ていたのだが、あまりいいものは食べていなかったようだ。


「そんなに美味しそうに食べてくれるなら、作ったかいがあるよ」

「兄上、あまりがっついて食べるのはどうかと思いますよ?」

「そうそう、兄さまは武士になるのでしょう?

質素倹約をして、もっと鍛錬をするのではないのですか?」


俺が嬉しそうに義綱君の食べ方を見ていると、千佳が注意し美代が武士とはこうであると叱っている。


「ああ、もういいのだ。

こんな美味い飯が食えないなら、武士になどなりたくはない」

「兄上?!」

「兄さま!」


そこへ凛さんが、お茶を入れた湯呑を義綱君の前に出した。


「戦場では、食事は出なかったのですか?」


「いや、出ていた。出てはいたが、あまり美味いものではなかったな。

戦場では、飯は大量に作ってみんなで分けるのだ。しかも、米の握り飯だけだがな。

他の味噌汁などの汁物とか、おかずは自分で調達するか売りに来た商人から買うしかない。金のない奴は、握り飯だけで戦えってことだな」


……握り飯で戦えって、栄養とか大丈夫か?

それに、この時代のおかずってどんなものがあったっけ?


「……それに外に出て、初めて気がついた。

ここの、桜花神社の飯が一番美味いとな……」


「確かに、この神社ではいろいろなものが食べられますよね」

「お母さん、私はケーキというものが一番好きです!」


凛さんは、プリンに目がなかったな……。

そして凛さんの娘の琴は、だいぶ前のオヤツに出したケーキがお気に入りか。


「俺は、戦に行く前に食べた豚まんが美味かったな。

今の時期に食べると、温かくなるのだ」

「兄さま、南蛮のパンなるものを使ったサンドイッチが美味しかったですよ」

「兄上、私はオムライスが大好きです」


冬の時期に温まる食べ物といえば、豚まんだからな。

義綱君が戦に行く前に作ってあげたものだったが、好印象だったようだ。

美代は、サンドイッチがお気に入り入りのようだがその時は何を挟んで出したっけ?

あと、千佳はオムライスが大好きっと。


「さえさんと、せんさんは、何が好きなのですか?」

「私は、夏の時期に食べた鰻丼というものが美味しかったです」

「わたしは、鰻より親子丼が美味しかったかな~」


さえは、夏バテ防止で出した鰻丼が気に入っていたとはな。

でも、せんは鰻丼より親子丼か……。


しかし、こうして改めて聞くといろんな料理をしていたんだな。

俺が元料理人とはいえ、こんなに作れるとは思わなかった。


まあ、材料は『箱庭』で育てているし俺が作れるものは、どんどん作っていくか。




▽   ▽    ▽




1568年十月下旬。


義綱君の初陣から今日まで、何度も戦はあったが参戦することはなくなった。

戦の怖さとかを学んだからではなく、飯のまずさを経験したから二度と参戦したくないそうだ。


その理由に、俺と凛さんは笑ってしまった。

でも、妹の美代と千佳は義綱君の決断に喜んでいたからこれで良かったのだろう。



そんなある日、女神様からもらったタブレットから久しぶりに受信音がする。


―――――ピコン♪


ちょうど寝る前だったので、自分の部屋のベッドに腰かけてタブレットを起動させると女神様からの指示が表示される。


『拓海さん、次の保護対象の子供は京の都にいます。

再び京の都に行き、二人の子供を保護してください。

詳しい地図を添付しておきます』


俺はタブレットを操作し、保護する子供を確認し添付されている地図を確認する。


「次は、二人の子供が保護対象か……。

って、これって公家屋敷の中じゃないか?

だけど、誰の屋敷か名前は出てないな……。

ということは、住んでいる子供ではなく紛れ込んだか?」


もしくは、捕らえられているとか……。

まあ、行ってみれば分かるか。

今回も、前回と同じように箒型飛行魔道具で空を飛んで行くか。

前に飛んだときから何年かたっているから、上から見る景色も変わっているだろう。


あちこちで戦もあったみたいだしな……。


「でも確か、今の時期京で何かなかったか?」


俺は、自分の浅い歴史知識に何かが引っ掛かったためタブレットの歴史フォルダを開く。実はこのタブレットには歴史年表が入っている。


日本史年表を開き、今年の1568年を開く。


「えっと、これだな……。

『織田信長、足利義昭ととともに上洛。室町幕府を再興する』とあるな。

となると今、京の都には織田軍の兵士たちがいるってことか……」


確か、浅井の軍や徳川の軍も一緒だったような……。

何にせよ、今の京の都には雑兵や足軽などの武士がたくさんいるってことになるのか。



明日、みんなに出かけることを話して、京に出発しようか。

それと、俺が出かけている間は『箱庭』が使えないから、ある程度の食料を出しておかないとみんなが食うに困るな。


凛さんも俺と一緒に料理することがあるから、俺の料理をある程度再現できるだろう。

それに、冷蔵庫の魔道具もある。

作り置きという選択肢もあるが、レンジが無いからな。

温め直すことができないし……。







今回も読んでくれてありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ