悲劇は絶対許さない。俺が絶対変えてやる!〜3歳から頑張る悲劇改変物語〜
ゲームの実況見てたら急に思いつきました。短い方です。プロローグのようなものです。
「あなたは逃げなさい」
「いやだ!お姉ちゃんと一緒にいる!」
あるところに、2人の美しい王女姉妹がいました。2人はとても仲が良く、いつでも仲良しでした。
しかし…………
「私は、お姉ちゃんにあんなことを…グスッ…ヒグッ…」
良からぬ企みを起こすものがいたのです。
それはその通り、2人ともまさに天使のよう。2人を引き裂こうとするものは当たり前のごとく存在しました。
また、その美貌に興味のない輩でも、その王族としても異常なまでの魔力に興味があるものは多くおりました。
そんなとき‥魔王が妹を操ったのです。狙ったのは、妹か、はたまた姉か、それともその両方か。
そんな妹を止めたのが姉でした。姉は、自分の命をかけて、妹を止めました。
しかし…………
「まさか、魔王が操られていただなんてね。まさか、邪神がいるとは思いもしなかったわ。」
そう言い、自嘲的に笑う姉。
裏に潜むは、この世を滅ぼしかけた邪神。隙を疲れてしまい、魔王も抵抗できなかったようです。
「邪神は私を復活の依代にした。邪神は、不意をつくのがうまいわね。私が死ななければ、邪神は復活する…つまり、この世界が滅んでしまう。」
そう言って、姉は、
「私は、魔力昇華をする。そうすれば、魔力に宿っている邪神も消え去るでしょう…」
魔力昇華。それは、この世の誰もが持ち、過剰な分を操ることで、魔法をあやつることのできる、魔力。それを昇華する。つまり死ぬのだ。
絶句している妹を見て力なく微笑み、邪神を封じ込めているためか、少し苦しみの表情を見せました。
「魔王さん。妹を、運んでくれる?そしてできれば、助けてあげて欲しいわ。」
魔王は、その美しい顔を上げ、
「妾を…信じるのか?」
それを見てうなずいた姉は、次に妹を見ました。
「ごめんなさい。一緒にいてあげられなかったね。これからは、魔王さんと一緒に頑張って。」
その言葉に魔王は、
「妾が、守り抜いて見せる。そなたの代わりに。勇気あるものよ。そなたの人生に、幸あらんことを」
魔王も妹を抱え、反対を向きました。
そして飛び立った。妹は、その衝撃でふっと我を取り戻し、
「いやだ、いやだよ!お姉ちゃーーん!絶対に助かるって!また遊ぼうよ!ねえ、ねえ!」
妹は、
ふっと微笑み
炎に包まれる姉を見ました。その炎は暖かく、優しく、綺麗でした。
妹は、
どこからか、
〜さようなら。最愛の妹。大好きだよ。でもね、あなたの笑っている顔が一番好き。いつまでも笑っていてね。〜
という言葉を聞いた気がしました。
「…………うん、うん。お姉ちゃん、わたしは、笑い続けるよ。いつまでも。そしたら、またいつか、会えるよね。」
妹は、頬を流れる涙を拭おうともせず、ただずっと微笑んでいたのでした。
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その国には、責任を背負い続ける女王と、それを見守る1人の美しい女性がいたと言われている。
そんな責任に押し潰されず、女王は、絶えず笑顔を見せていたという。
それは、仲が良かったが、邪神を倒す生贄となった姉が関係している、と言われている。
これは、小さな国、エルスケイト王国の、悲しい物語。
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俺は‥
「こんなの、許せるかー!」
こんなの、かわいそうすぎるだろう!こんな、こんな…
「こんな終わり方って、あるかーーー!」
激怒していた。
ってあれ?
「なにこのキオクは?」
俺は3歳。
コルベルト・フォン・メシアクリス。
「はああ!さんさい?」
どうやら、メシアクリス、という名の王国の王子に転生してしまったようだ。
というか、なぜ俺が王族だと分かったんだろう。
首を傾げていると、
「おはようございます、コルベルト様。」
「お、おはよう」
この人はメイドのリーシェ。
…………記憶はあるんだ。
ま、まあ、さておき、
「ど、どうしたの、こんなにあさはやくから。はやしゅぎない?」
…勘弁してくれ。俺はまだ3歳だ。
「今日は、エルスケイト王国の皆様がいらっしゃいます。身支度を急ぎましょうか。」
笑うこともなく、リーシェはそう言った。…いや、頬がちょっと赤いや。
…………ちょ、ちょっと待って。エルスケイト王国って言った!?
「え、エルスケイトおうこく⁉︎」ベッドから飛び起きると、ちょっとリーシェが驚いて、
「ど、どうしましたか、そんなに珍しいですか?確かに、エルスケイト王国ですが…」
……………動揺し過ぎたかも。そもそも、あの物語じゃない可能性も…いや、でも転生もありえないしなあ。
まあ、行ってみよう。ベッドから起きて走り出すと、
「ま、待ってください。服を着替えてください!」
…やっべ、忘れてた。
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「エルスケイト王国の国王様御一行、到着いたしました。それでは、ご入場!」
パーパララパッパッパーーーーーーーーー
壮大なファンファーレが鳴り響き、そこに現れたのは…
紛れもなく、あの物語の中の…
あの悲劇が起きる前の、エルスケイト王国国王たちだった。
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自分の部屋に帰ってから。
「あのひげきは、おこっていない。」
だが、まだ、である。
起こらないことはないだろう。
しかし、おそらく…
「みらいをしっていて、さんさい。まだのびしろがあるおれなら…」
「みらいは」
おそらく。しかし、高い確率で
「かえられる」
悲劇は決して起こさせない。ハッピーエンドにしてやるよ。
この俺がな。
こんにちは。虎兎と申します。おそらく、読んでくれる方はいないと思いますが、もし読んでくださった場合は、感想の一つや二つを書いていただきたく存じます。一応、続きがまとまったら連載版として出すつもりです。その際は、またそちらの方もご覧になってくださいませ。それでは、初の真面目に書いた虎兎でした。