表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
食らう  作者: 桂木イオ
9/9

全ての終わりに

「・・・はあ、結局後片付けは私か」


 家庭科室。そう呼ばれていた実験室で、怪物が泣いていた。


「オニイチャン、オイシイ、ドウシテ・・・?」

「仕方ないさ、お前は食人鬼に近いんだから」


 実験は失敗だった。人造人間は人間を食べる。証拠を隠滅するため、玄朔は宴に食欲が強く現われる促進薬を打ち、自分を喰わせた。


「どうせお前には、私は見えないんだろ? あざみ先生じゃない私はさ」


 都合の悪いことは見えない怪物に銃を突きつけ、間髪入れずに撃った。


 怪物の巨体が音を立てて倒れる。玄朔は下敷きに鳴っているから、もう跡形もないだろう。


「学校ごっこも終わって、この実験を知る人間も、もうじきいなくなる。こんな悲しい話も、もう終わりさ」


 白衣を纏った女性は、大きな嘆息を漏らすと、銃口を額に当て、


「この中で一番不幸だったのは、誰だったんだかね」


 独り呟くと、引き金を引いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ