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気がついたら人魚でした〜番外編〜  作者: あっしまー(飛びません)
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0.秘密のデート

本編125の後です。

ミナ大陸にて活動中、私たちは港町サボセに来ていた。


サボセはブレイとの直通船が出る港町で、今はブレイへの船を待っていた。

ずっと仕事がたてこんでいたので、調整日の今日は休暇となった。

プリシラは転移を使って買い物にでた。買い物に転移使うとかありえないんだけど。

…チート種族の考えていることはわからない。

リンレンは相変わらず2人で鍛錬するという。ニールさんも一緒かな。

あの人達ドラゴ◯ボールみたいな人たちだからね。


私はというと、久しぶりに海で泳ごうと考えていた。

やっぱり人魚だからか、海で泳ぎたい衝動に駆られることはある。

前世で溺れ死んだ人間が言うセリフではないかもだけどさ…。


船は航行してるが、潜ってしまえば見えないだろう。

そう思いながら、水着やシリルさん特製防水バックの用意をして出かけようとすると、

外にニールさんがいた。


「リーリア♪どこまで行くん?」


「え?内緒…。」


「内緒は、なしやろ?」


「むぅ。泳ぎたくなったから海に…。」


本能的に泳ぎたくなったと言うのが恥ずかしかった。

前世で溺れたのにというのは私しか知らないんだけど、なんとなく。


「じゃあ、俺も!最近海入ってへんし。」


こうして、ニールさんも海で泳ぐことになった。

私達は念のため、別行動で入江に向かい、海に入る。


「ずーーーーっと偽証石使てると、なんていうか…足が凝る。」


「あ、わかる!!」


「別に同室はレンやから解いてもええんやけどなぁ、陸だとなんとなく。

もう習慣やしな。」


「でもニールさんはいいじゃん、陸でも一応動けるから。」


「せやなー。リリアは解いたら動けんもんなぁ。」


「そうだよ!みんなの憧れの人魚は結構不便だよ?」


「あはは。そないなこと、リリアにしか言えへんなぁ。」


あるあるを話ながら2人でのんびりと泳ぐ。


「クラーミストと全然違うね。魚も喋らないし。

キラキラしてる魚がいっぱい。ここはここで綺麗だね。」


「せやなぁ。」


そう言いながらニールさんは私を後ろから抱きしめた。


「ここなら誰もいないからって…。」


「ええやん。最近忙しかってん。癒しや、癒し。」


「どっちの?」


「決まってるやろ?俺のに。」


そして頭のてっぺんあたりにキスをした。


「私まだ巫女なんだけど?いいの?お兄ちゃん?」


「プミロア様は別に許してくれるんやろ?」


「そうだけど…。」


私が帰ると決めたときも、ニールさんを気にかけてたくらいだから。

むしろ応援されているかもしれない。

ニールさんはまだ後ろから私を抱きしめたまま。


「ねぇ、ニールさん、泳ぎに来たのって本当はイチャイチャしたかったから?」


「ノーコメントや。」


「いやらしいなぁ。」


「しゃあないやん。だって…リリアが好きなんやもん。」


ニールさんが耳元で囁いた。

そう言えば、ちゃんと好きって…言われてなかった。

多分、今の私は耳まで赤いに違いない。

後ろから抱きしめられているので、ニールさんの表情はわからない。


「リリアが戻ったら言おうって。あんときもリンに邪魔されたし…。」


「まぁ、あの時はリンも心配してくれたんだしさ。」


「せやけど…。なぁ、リリア、後ろ見てみ?」


「なぁに…」


一瞬何が起きたのかわからなかった。

後ろを振り向こうとしたタイミングでニールさんは私に


キスをした。


一瞬触れただけだったけど。


「不意打ち…ズルイよ?」


そう言って私はニールさんの方に向きなおり、ぽすんと胸のあたりに顔をうずめる。


「すまん。あん時リリアがダメって言うてたから…。」


そう言うと正面からまた私を抱きしめた。

私は抱きしめられながら、顔を上げニールさんを見つめる。


「するならちゃんとして?不意打ちじゃなくて。」


「…………。」


ニールさんは私の頬に優しく触れて、見つめてから今度はゆっくりとキスをした。

唇を離すとおでこ同士をくつけながらニールさんはため息を吐いた。


「アカン…一回したら少しは気ぃすむと思たけど…もっとしたなった…。」


なんか…エロいよ?もっと言い方なかったかな?


「なぁ、もっかいしてええ…?」


私の返事を待たずにもう一度キスする。


「返事してないよ?」


「目がええって言うてた。」


「何それ!」


そう言って2人で笑う。


「リリア、好きやで。」


今度はニールさんは私の目を見て優しく笑いながら言った。


「私も。好きだよ。ニールさん。」


私は赤くなりながら、言う。

言い終わるとニールさんはまたキスをして私を抱きしめた。


「なぁ、このままブレイ行きの船乗ったらクラーミスト帰らへん?」


「だぁめー。キーヨートでやるまで巫女は辞めないってば。

しばらくお仕事入ってるし。」


「やっぱアカンかー。言うてみただけや。でも、時々はこういう時間、作ろ?

せやないと俺、耐えられそうにないわ。」


眉をハの字に下げて笑うニールさんは今度は頰にキスをした。

どうやらニールさんはキス魔らしい。


「そうだね。休みのたび毎回ってわけにはいかないけど、時々、ね?」


私も時々はニールさんとデートしたい。私だって好きなんだから。

一応、バレてもいけないから今回みたいに海中なら誰もいないし大丈夫かな。多分。


「じゃあ、約束な?」


そう言ってまたおでこにキスした。


「しすぎじゃない?」


「またしばらくおあずけやから。陸に戻るまではええやん。」


「戻ったら、またイグニスさんに甘ったるい空気振りまくなって言われそう…。」


「あー、嫌なこと思い出させんといて。」


そう言って気まずい顔をするニールさん。その様子を見て私はくすくすと笑う。


「イグニスさんてなんであんなに鋭いんだろうねぇ?」


「プリシラよかよっぽど勘が鋭くてエルフっぽいイメージや。あの腹黒メガネは。」


やっぱりニールさんもそう思ってるんだ。


「意外と知らないだけで、エルフだったりして!」


「ありうるわー。ルーロウのじっちゃんもそうやったしな。」


「あ、でもリンあたりが口を滑らせないあたりで違うのかな。」


「せやなぁ。リンあたりペロっと言ってまいそうやもんな!」


私達はしばらく魚を眺めながら、2人でどーでもいい話をして笑いあった。




「そろそろ帰るか。」


「そうだね。」


「もっかいしてええ?」


「いいよ?目がいいって言ってなかった?」


そう笑って私はニールさんの首に手を絡ませ、キスをした。

すると、私の腰のあたりをニールさんが手で撫で上げる。


「…手がやらしい…。」


「いや…つい…ちょっと…今のはリリアも悪いで?煽ったらあかん。」


ジト目で見ると、視線を泳がせて言った。

悪いって何が?!煽るって何を?!

キョトンとして首を傾げたら、ため息を吐かれた。

なんでー??


その後、私達は手を繋いで帰った。

陸に着いて、別れて帰ったのだが、イグニスさんにジト目で見られたのはいうまでもない。



読んでくださって、ありがとうございます!

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