彼女は合格か否か
インターネットサービスが変わるとの事。それで1週間投稿できなかったぜ・・・。
『簡単に言うと、彼が入れる大きさの倉庫だ。そこに整備用の機材なども、出来うる限り用意する予定だ』
ほほう?戦車庫か?それは確かに有難い。何処か落ち着ける場所というのは、色んな意味で有難いものだ。
『彼は強力な戦力であるが、人の身ではない。宿にすら泊まれず、常に野晒しだ。この街の英雄にその仕打ちはいかん。せめて、雨風を凌げる場所を提供しようと思い、アトリエを用意する』
とても嬉しいな!雨風を凌げるというのは本当に嬉しい。錆びないとも限らないからな、鉄の塊だし。表面硬化処理を施されていようと、錆びるものは錆びる。落ち着いて整備する為にも、これは嬉しい報酬と言える。
『建設予定地に関してはまだ未決定だ。これに関しては、彼の意向で決める事にする。まぁ、ある程度の制限や限界はあるが、出来うる限り答える所存だ』
ほう、場所はまだ決まっていないのか。ならば、自分の望む場所を選択するとしようか。確か、街の北側は工業地帯だったよな。後のことも考えて、その付近が良いだろうか。出来うる事なら、訓練に使える、広い土地も欲しい所だが・・・
『送る称号は、”鈍色のチャリオット”。その強力な火力、強靭な装甲を、存分に生かして欲しい』
”鈍色のチャリオット”・・・チャリオットは戦車を意味し、鈍色は・・・恐らくドイツ戦車を意味するのだろう。多くのドイツ戦車の多くは、鈍色のイメージがあるからな。
応答は出来ないので、とりあえず砲身を昇降させて答えてお・・・おや?
「通訳なら、私に任せて」
インテレッセ嬢が現れた。昼とは違う。彼女は、ドレスに身を包んでいた。
派手さは無く露出も少ない。至って落ち着いたドレスだった。スカートは膝まで伸ばされた、だが後ろ側は脹脛までの、前後で長さの違うスカート、手に近づくにつれて膨らむ袖、首元の襟に付けられた大きめリボンタイ、頭にはカチューシャを付けていた・・・全体色は白で、彼女の銀髪と合わさって、透き通るような透明感を感じる。夜間という暗がりの中、会場の暖色の温かい光が彼女の髪とドレスをほんのりと山吹色に染めていた。
・・・正直、自分は女性のドレスについて知識が無い。いや、男性服についてもないから、ファッション自体に知識が無い。ので、表現に言葉が足りないと思うが、これが自分の限界だ。朝のアフタヌーンドレス、夜のイブニングドレス、そしてその間のカクテルドレスくらいしか知らん。詳しい単語とかはさっぱりだ。
そんな彼女が・・・ちょ
「ドレスだとっ・・・登り難いっ・・・」
まてその格好で登るな汚れる!まだ洗車してないし、戦闘したばっかりというのに・・・。表面に判り難いが、まだ土埃が付着している。これがドレスにつけば汚れ間違いなしだぞ・・・。
「んー、これでいいか」
そんな自分の心配も他所に、彼女は登っていく。慣れた動作で登り切り、砂狐によって既に車外に置かれていたヘッドホンを、装備した。
厳つい戦車の表彰式が、白いドレスに身を包んだ銀髪美少女が乗った厳つい戦車の表彰式に、いつの間にか変わっていた。
『通訳か、では、彼に伝えてくれ。”君の活躍を大いに称えよう”と』
「だって」
そうか、素直に受け取っておこう。
『感謝の極み、と返してくれ』
「感謝の極み、とのこと」
いずれは自らの言葉で応答できるように成らねばならないな。擬人化だけでなく、取り得るあらゆる方法を試みる必要性があるな。
『そうかそうか!喜んでくれてたようで良かった!』
自分の表彰が終わると、戦闘貢献値、支援貢献値、指揮貢献値、情報貢献値と、各分野にて活躍した方々の表彰が行われた。因みにだが、自分は討伐数だけでなく、戦闘貢献値、情報貢献値にても、表彰を受けた。まぁ、多くを撃破した故に戦略レベルの撃破をしたし、情報貢献に関してはイベント自体の発見がある。どれも納得が行くがなぁ・・・。フリードリヒ・ヴィクトリア街長の、
『まだ表彰しないといけないから、そこで待っていて欲しい』
と言われた時は、ちょっと呆然してしまったよ。といっても、既に”特位”という1位を越える表彰を受けたのだ。これ以上貰ってしまったら他プレイヤーに悪く感じてしまう。
まぁ、結果から言うと、その他も合わせて報酬が渡されるとの事だ。スキル等に関しては特位の分だけで、代わりに別のものが用意するとの事だ。出来うる事なら、アトリエ関連の報酬が欲しいなぁ。更なる我がままを言うと、銃器を製造できるような設備が欲しい所である。最終的には戦車の量産を行えるレベルの基盤を整えたいものだ。
『しかし、中々に優秀な部下を持ってるのだな』
「それは皮肉かね?」
『いいや、本心だよ。隊全体の戦闘力、司令官の指揮力、そしてサーバー唯一の航空戦力。どれをとっても素晴らしい』
彼、いや彼らは戦闘貢献値、指揮貢献値、情報貢献値と、3つの分野にて目覚しい活躍をした。部隊全体の戦闘貢献、司令官砂狐の指揮貢献、そして、自分に爆撃を噛ましてきた”ユモ”の情報貢献。
『どれをとってもっ、素晴らしい部隊であるな』
「ハッハッハ!そこまで率直に言われると、流石に照れるな」
今現在、自分は砂狐隊長の元に戻ってきた。場所は舞台から離れた庭の一角だ。理由としては・・・ここ以外に居場所がないのだ・・・。だってね?戦車なんて一般”プレイヤー”からしたらミリオタ感が強すぎて近寄り難いだろうし、NPC一般人からしたら尚更、近寄り難いだろう。
「へぇ・・・これで飛ぶんだ」
「は、はぃ・・・」
インテレッセ嬢はユモ嬢に絡んでいた。エルフからしても、有翼は珍しいのだろう。自分も興味津々だ。名前的にも。
『彼女たちも、仲が良いようだ』
『私には片方が恐縮しているように見えるのだが』
恐らく、爆撃した事が引け目に感じているのだろう。此方としてはもうどうでも良いのだがな。FF程度でガチギレする程、軍事ゲームに短くないからな。マジ戦場でも、友軍からの誤射が多い位だからな!ハッハッハッ。
『隊間も良好のようだ。この感じ、悪くない』
「・・・そうか」
隊の隊員は、全員で馬鹿騒ぎをしている。皆、口を開けば軍事関係だ。やれ枢軸が良いだの連合がいいだの、聞いててとても楽しい話で盛り上がっている。
「さて・・・私の誘いは受けてくれるか?」
『答えはYESだ』
「そうか。それは嬉しい。我々は君を歓迎しよう」
『此方としても、貴隊に貢献するよう励むとしよう』
自分の投入できる財産は、出来うる限り投入するとしようじゃないか。・・・今回の報酬も、投入できるならば投入しよう。どちらにしろ、自分一人では、戦車どころか銃一丁、リベレーターすら作れないからな。どうせなら巻き込んでしまおう。そして面倒な作業は体を理由に任せてしまうのだ。整備とかもな!ハッハッハッ。
「入隊おめでとう。だが、これから直ぐに何かがある訳ではない。申し訳ない」
『まぁ、だろうな。でかいイベント終わったばかりだし』
「あぁ。あるとしても、精々親睦会程度だろう」
親睦会か。それはそれでいいではないか。仲が良いというのはとても良いじゃあないか。
「あ、あのぉ・・・」
「おやおや」
『ぬ?』
・・・インテレッセ嬢は・・・次は隊員の方へ興味を持ったのか。
だから、此方へ来たのか、ユモ嬢よ。
「どうしたのかね?」
「あ、謝りに・・・」
「なるほど」
『なるほどだ』
ほう。門の所で謝罪は終わったと思っていたのだが。まぁ、悪印象は抱かない。というより、好印象。
『隊長、替わって欲しい』
「了解。ユモ」
「ハ、ハイ!」
ユモ嬢がそれを装備した事を確認したと同時に、自分は口火を切った。今まだ聞きたかった事を。
『Jumo211Jの出力を答えよ』
「1,315HP」
『それは何m時?』
「離昇馬力」
『それが搭載された代表機は』
「Ju 87!」
『合格だ。Stuka。いや、sturzkampfflugzeug』
そう、本当に合格だ。
パンツァー 四号戦車G型 lv 20
状態 正常
攻撃力 7.5cm kwk 40 L43 戦車砲
7.92mm MG34機関銃×3(同軸機銃・車載機銃・キューポラ機銃
砲塔装甲 正面50mm
側面30mm
背面30mm
上面10mm
車体装甲 正面50mm
側面30mm
背面20mm
上面12mm
シュルツェン 砲塔周辺 8mm
車体側面 5mm
Vorpanzer 砲塔・車体正面 20mm
速度 40km/h 300ps
重量 26.00t
称号
・陸戦の王者
・エルフの楯
・ワールドクエスト発見者
・貢献した者
・新型受領
・始まりの防衛者
・鈍色のチャリオット
スキル
・目星 6lv
・拡大眼 7lv
・熱源探知 7lv
・音源探知 5lv
・火魔法 2lv
・風魔法 3lv
・放送 2lv
・迷彩 3lv
・隠密 5lv
・不整地走破 6lv
・改修及び改造 1lv
控え
・マッピング 8lv
所持金 86000リン
19日目夜




