甲冑四号
1週間ほど、お休みしてましたー(夏休み)
戦車に最も求められる防御力。それは砲塔正面装甲だと思う。
戦車の最大の武器であるその主砲は砲塔に搭載されている。曲射じゃない限り、主砲を撃つ際は、必ず砲塔正面を敵へ晒す事になるのだ。車体は、地形や障害物で隠すハルダウン、戦車用のタコツボで隠すダグインなど、色々な方法で隠す事ができる車体に対し、攻撃時に必ず晒す事になる砲塔は絶対に硬くないといけないのだ。攻撃するつもりが、逆に撃破されてしまっては意味が無いからね。
ここで、四号戦車の砲塔装甲について解説する。現在、自分は四号戦車G型で、砲塔車体共に50mmの正面装甲を備えている。つまり、車体と砲塔は同じ防御力という事だ。これだけなら、砲塔並に車体が頑丈、というだけで、何の問題もない。問題はその次のH型・・・正確にはG型後期にある。
G型後期及びH型は、車体は80mmと30mmの増強が施されている。だが、砲塔は50mmのままなのだ。これが如何に不味い事かは、上記で説明した通りだ。一番、被弾率が高い砲塔が薄いのである。危険視するのは当然の事。これの改善が今回の目的となる。
より頑丈な砲塔にするには、3つの方法がある。1つ、装甲の増厚。2つ、形状の変更。3つ、材質の変更。1に関しては重量との相談、2は車内容積と重量、3は素材を用意する必要がある。今回の改造では、形状と材質は難易度が高いから除外し、簡単で手頃な装甲の増厚、正確には装甲の追加を選択する事になる。
四号戦車は、砲塔を支える部分の強度が限界に近い。シュルツェンと呼ばれる、薄い全周を覆う追加装甲の重量なら問題は無い。だが、シュルツェンを装備した状態で、それ以上の重量増加となると、確実に限界を超える事となり、破損に繋がる事は目に見えている。その為、その限界を嵩上げする必要がある。
限界を嵩上げする方法は簡単だ。砲塔を固定・旋回させるターレット、を支える梁があるのだけれども、これを補強するなりすれば問題は解決されると思われる。足回りの耐久力は・・・まぁ、問題ないと思う。四号の足回りは、28.2tは耐えれると実証されてるからね。熊さん(ブルムベア)重すぎる。
それに、いざという時は幅広履帯を用意すれば良いかな?シュルツェンの修正に手間がかかりそうだけど。
追加装甲によるVorpanzer化は、これで解決できると思う。追加装甲を装備した事によるノウズヘビーは、車体装甲が”まだ”50mmだから問題はないと思われる。80mmになったら・・・ラングみたいに、第1・第2転輪を鋼製転輪に替えて凌ごう。
纏めると、砲塔を支える梁の強化、追加装甲によるVorpanzer化、シュルツェンの装備。こんな感じか。48口径に換えたり、車体装甲を80mmに強化したりもしたいが、それは次のH型で我慢する事にする。
しかし、シュルツェンVorpanzer、か・・・。想像するだけでワクワクするな。そうだな、甲冑四号と名づけよう。甲冑四号、うむ、カッコいい。砲塔正面装甲50mm+20mm、十分な防御力とは言い難いが、無いより遥かにマシだ。ありがたい。・・・正直に言うと、100mmは欲しかったりする。
では、早速作業に移るとしよう。
改造対象を選択してください。
・砲塔
・車体
・砲
・エンジン
・変速機
・機銃
・サスペンション
車体を選択する。
車体を選択しました。
・装甲圧変更※正面装甲の増加は危険です
・形状変更
・追加装甲
・・・これは、形状変更から、だろうか。それ以外に無いし、そうなんだろうな。形状変更を選択する。
形状変更を選択しました
※形状変更はイメージとウィンドゥの二つを使用して行います。
※イメージにて大よその形を導き出し、それをウィンドゥにて修正する形になります。
※修正に必要なリンは、変更に伴い変動します。
・代金 0リン
なる程、大体わかった。では、目的の梁のイメージを浮かべる。これを、より太く頑丈な六号戦車のものへ変えていくイメージだ。端はアーチ状の頑丈な構造で、肉抜き穴が空けられている。四号の、途中でカーブの付いたものではなく、直線の梁である。変更点はこれだけだ。さぁ、代金はお幾ら万円なりか?
形状変更を選択しました
※形状変更はイメージとウィンドゥの二つを使用して行います。
※イメージにて大よその形を導き出し、それをウィンドゥにて修正する形になります。
※修正に必要なリンは、変更に伴い変動します。
・代金 1000リン
変更しますか? はい/いいえ
・・・やっす。え、こんなに安くて良いのか!?シュルツェンが10000リン、追加装甲が8000リンなのに、梁の強化は1000リン!?幾らなんでも安過ぎないか?
・・・あー、これはあれか?抜け道って奴か?戦闘力に直結しない変更点だから、こんなにも安い、という事だろうか。兎に角、何も問題は無いので、はいを選択しておく。成長の時と同じく、光に包まれた後、体の中で確かに何かが変わった感覚を覚えた。うむ、ちゃんと変更できたようだ。
それにしても、これは良い事を知ったぞ。これを活用すれば、改造限界を上手い事誤魔化せるな。例えば、過剰な装甲強化や主砲強化も、これを利用すればクリアできるかもしれない。が、今はVorpanzerとシュルツェンだ。弄り過ぎは故障に、故障は大破に繋がるからな。
追加装甲を選択しました
・シュルツェン 10000リン
・追加装甲 8000リン
両方を選択する。
白い光に包まれながらも、何かが装着されていく感覚を感じる。これは・・・体の一部じゃない。この感覚は・・・服?兎も角、体の一部ではない。あくまで、戦車の”装備”という事なのだろうか。
思考の間も、変化は続く。初めに砲塔正面に。その次に砲塔全周に。最後に車体前面と側面に、それらが装着されていく。その感覚は、確かに装甲だった。数十ミリと薄いが、確かに装甲なのだ。
光が晴れたそこには、先程までの四号戦車G型とは、まったく印象の違う戦車が鎮座していた。
車体側面、砲塔周囲に張られた薄い鉄板は、四号を一際大きく見せる。シルエットが大きく武骨になり、その姿は、不思議と見る者に威圧感を与える。人によっては、何故だか虎のイメージを抱くだろう。
変化はそれだけではない。砲塔正面と車体正面。そこには20mm圧の追加装甲が装着されている。それが、より一層四号を武骨に、そして威圧感を増幅させている。
どのパーツも、四号戦車を守る為の装甲であり鎧である。それらは、主砲ように凄まじい殺気を発してはいない。代わりに、害をなす存在へ、圧倒的な威圧感を発するパーツであった。
うーむ!余は満足である!厳つくもカッコいい見た目になったな!防御力も上がって、一石二鳥だ!改造の内容も、中々に楽しいものだった。本当に満足だ。だが、惜しむべきは、この装甲で実際に相手をするのは、戦車や対戦車砲ではなく、モンスターという点か。んー戦車戦がしたい!何処かにT-34はいないものだろうか!あ、M4でもマチルダでも構わない!・・・このゲームでは、戦車戦は無理だよなぁ。
さて、する事も終わったし、今日はここらへんにしよう。明日はパーティがあるようだし、寝不足は不味いからな。
では、おやすみなさい。
☆戦勝パーティ☆
ワールドクエストWゴブリンキングの大攻勢”達成のパーティが開催されます!
場所 始まりの街中央広場、街長邸宅
※街長邸宅内でのパーティは、招待状の所持者限定となります。
※整った身嗜みを推奨します。NPCの友好度に影響します。
時刻 ゲーム内時間19日12:00:00より開始
・プレイヤーの参加は自由です。
・街中がお祭り状態になり、屋台などの商店も立ち並びます。
・パーティ中は、限定商アイテムや装備、スキルの販売が行われます。
・中央ではミニゲームなどのイベントが予定されています。
ふむふむ、19日の12時、つまりは今日の昼頃から始まるのか。今は・・・5時か。起きるのが早すぎたか。暫く暇になるぞこれは・・・。
「・・・昨日と違う」
それはそうと、今日も気持ちの良い朝を迎えた。特に、今日は機嫌が良い。自分の思い通りの改造ができたからな!機嫌が良いのも当然だろう。
「・・・何かあったの?」
『ちょっと身体を弄った』
「ちょっと?」
『ちょっと』
「・・・ちょっと所じゃない位変わってるんだけど」
『じゃあ少しだ』
「全く少しじゃないっ。とっても変わってる!」
実際、昨日と違うのは梁の強度、シュルツェンの有無、追加装甲の有無だけだ。たった3つしか変更点は無いのだが、まぁ、かなり見た目の印象が変わってるだろうからなぁ。分からなくもない。
『どうだ、かっこいいだろう?』
「・・・そういう問題?」
『うむ。似合っているだろう?』
「・・・私には分からないわ」
『そうか・・・』
自分は似合っていると思うんだがなぁ。
「今日はパーティ、か」
『そうだな』
「それまで、何か予定って、ある?」
『無い。全く無い』
「・・・そっか」
『そうだ』
自分は戦車ぞ。食べる必要も無ければ遊んだりもできないからな!取り合えずパーティに出席して、それから予定を組むつもりだ。例えば・・・インベントリの有り余る量のアイテムをどう処分するか、とかな。あとは、自分を修理できるような場所が無いかを探す位だろうか。
つまり、パーティまでする事が無い、という事だ。12時まであと7時間、ずっと暇という訳だ。
「じゃあ、観光に付き合って」
『観光かー』
観光、その手があったか。だけれども、インテレッセ嬢とか・・・乗り物にしかならないが、良いのだろうか。
『自分は足にしかならないが、いいのか?』
「荷物持ちにもなれる・・・でしょ?」
『確かに』
戦車だからな。多少の重量物なら余裕で運べる。
「それで、一緒に観光、する?」
『お供いたしましょう、お嬢様』
「お嬢様・・・ね。じゃあ、貴方はナイト様?」
『んー個人的には黒騎士が良いな』
さて、観光すると決まった訳だし、まずする事は、この邸宅の主である街長に一言伝えておく事だな。何も言わずに出て行く訳にはいかないし。
『街長にこの事は?』
「ちゃんと伝えたから大丈夫」
『そうか、なら問題はないな』
既に伝えた後だったようだ。・・・今5時だよな。街長、起きてるのか。忙しいのか、それとも習慣なのか・・・いや、この世界ではこれが普通の可能性もあるな。インテレッセ嬢も起きていた訳だし。
『どこから回る?』
「まずは、朝御飯」
『食べてない?』
「観光ついでに食べるって断った」
なるほどな。自分でもそうするな。
『となると・・・高いお店?』
「・・・安いお店で」
『なら住宅街か、城壁に近い所だな』
住宅街周辺ならファミリーレストラン的な感じだろうな。城壁近くなら、食堂的な感じになるだろう。どちらも美味しそうだ。・・・こういう時は、戦車の体は嫌だな。擬人化のスキル、考えるべきだな。
「任せる」
『では、出発!』
履帯を回転させた。
パンツァー 四号戦車G型 lv 20
状態 正常
攻撃力 7.5cm kwk 40 L43 戦車砲
7.92mm MG34機関銃×3(同軸機銃・車載機銃・キューポラ機銃
砲塔装甲 正面50mm
側面30mm
背面30mm
上面10mm
車体装甲 正面50mm
側面30mm
背面20mm
上面12mm
シュルツェン 砲塔周辺 8mm
車体側面 5mm
Vorpanzer 砲塔・車体正面 20mm
速度 40km/h 300ps
重量 26.00t
称号
・陸戦の王者
・エルフの楯
・ワールドクエスト発見者
・貢献した者
・新型受領
・始まりの防衛者
スキル
・目星 6lv
・拡大眼 7lv
・熱源探知 7lv
・音源探知 5lv
・火魔法 2lv
・風魔法 3lv
・放送 2lv
・迷彩 3lv
・隠密 5lv
・不整地走破 6lv
・改修及び改造 lv1
控え
・マッピング 8lv
所持金 86000リン
19日目昼




