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お次はスキル

 ここら辺りから戦車の名前が出始めます。イラストでも描いて挿絵としたいのですが、現状は難しいので・・・各自で検索して頂けると、イメージしやすいかと。

『た、ただいまです!』

「お、お帰りだ」


 消えた時と同じ様に、空間に白い光が現れたかと思うと、キラリと一際輝いた後に、光の粉を散らしながら姿を現した。


『結果から言うと、OKです。ただ、いきなり強い戦車はNGです。例えば、えーと、アイエス?とかタイガー?とか後は・・・てぃーさんじゅうよん?は駄目だそうです』

「成程、当然だな。判った」


 流石に初っ端から最強レベルの戦車は流石に遠慮したい。いきなり力を手に入れて無双しても、ただただ虚しくなるだけだ。何事も、弱い初めが肝心であり、そこからどう成長するかが、途中に存在する試行錯誤かが楽しいのだ。

 さて、初めからTigerは却下されたから無しだ。残るはパンターや四号、三号だが、それらも十分強い。


「そうだな・・・ドイツの二号戦車はどうだ?」


 あれだったら強すぎないだろう。それにあれは訓練用だ。自分には丁度良いな。一号もあるが・・・あれは遠慮したい。


『ちょっと待ってください・・・あ、これですか、ちっちゃくて可愛いですね!』


 妖精の前にウィンドウが現れて、そこに直線で形作られた戦車の画像が出る。二号戦車の・・・F型かな。

 そして二号に可愛い、か。うむ、同感だ。


「この戦車にしたいんだけど、いいかな?」

『ちょっと待ってくださいねぇ・・・はい、大丈夫です!これなら出来ますね』

「おっし!」


 来た来た来た!もうこの時点で最高な気分だ!


「これでOKだ、さぁ行こう。今すぐ行こう。直ぐ行こう!」

『ちょちょちょ、待ってください!まだスキルや見た目が終わってませんよ!?』

「あ・・・そうだったな」


 落ち着くしよう。慌てなくともゲームは逃げない。


『確認ですが、いいんですね?この・・・』

「二号戦車F型」

『はい、それです。大丈夫ですか?』

「うむ、それで構わん」

『判りました・・・次はスキルです』


 スキルか・・・戦車として戦い易くする、つまり補助に徹底するか。いや、足回りが壊れないようにするとか・・・て、ちょっと待て、一寸待て。


「足回りが壊れたり、弾や燃料が切れたりしたらどうなる?」


 これは大事だぞ。


『一応、生き物扱いなので、壊れても再生します。ただ、度が過ぎると自己修復の限界を超え、修理して貰う必要があります。剣を例にすると、刃毀れは大丈夫だけど、折れたら鍛冶屋で直して貰わなくてはいけません』

「戦車はどうなる?鍛冶屋で直るのか?」

『さぁ?戦車は専門外です!』

「そ、そうだったな。すまん」


 成程、修理する手段が必要というで、それを見つける必要もある訳か。


『弾や燃料などは、時間と共に回復します。また、それらを作る事も出来ます』

「作る?弾や燃料をか?という事は、より高品質なものを作れば性能が上がるという事か?」

『それは判りません。作り手によりますね』

「ほうほう、成程。本当に楽しくなってきたな」


 ついつい笑みを浮べてしまう。それに釣られてか、妖精も笑顔になる。可愛い奴だ。


『スキルに移りますよ?大丈夫ですか?』

「うむ、大丈夫だ。続けてくれ」

『数多くあるスキルの内、貴方が使用できるスキルを出します。数は10個までですので、ちゃんと考えて選択してください』


 またしてもウィンドウが現れた。検索欄があるだけだが、恐らくキーワード検索でもするのだろう。


 戦車で戦闘するに当たって、敵が戦車であろうが歩兵だろうが、対戦車砲だろうが関係なく共通する、勝つ為ではなく生き残る為の前提条件。自分は、それは敵より先に敵を見つける事。そして見つけられる前に撃破するか、隠れる。これだと思う。

 スキルは、兎に角生き残る事を、出来うる限り死なない様なアセンにしよう。


 まず敵を発見する為のスキルだ。索敵に使えるのを洗い出そう。



 ・目星

  あらゆるものを調べる事ができる。が、鑑定眼に劣る性能。

  使用するには、対象がしっかりと見えていなければ行けない。

  他スキルと併用可能。


 ・拡大眼

  遠方を拡大して視認する事が出来る。初期の倍率は2倍。

  他スキルと併合する事が出来る。

  目星と併用するとより遠方の対象を調べる事ができる。


 ・熱源探知

  周囲の熱源を探知する。

  目星と併用するとサーモグラフィーの様な視界になる。だが、熱源探知の限界より先にあるものは見えず、真っ暗になる。


 ・音源探知

  音源を探知する。

  目星と併用すると音源がある場所に波紋が現れる。だが、音源探知の限界より先にあるものは察知できない。


 ・マッピング

  通ってきた場所がマッピングできる。他スキルと併用できる。

  視界の何処かにマップを置く事で、ミニマップの代わりになる。


「これのスキルが欲しいんだが、自分の熱や音は大丈夫か?」

『えぇっと、はい、大丈夫です。取得しますか?』

「そうしよう」

『所得しました。後5個です』


 次は攻撃補助にするか。

 えっと、”銃の才能”?これはどうしようか。


 ・銃の才能

  ~の才能系スキル。~に当てはまる武器の扱いに補助が入る。


「この”銃の才能”ってスキルは、砲や機銃にも適応されるのか?」

『”銃の才能”のままでは機銃の補助が限界で、砲の補助は別のスキルが必要です』

「スキルを成長させれば良いのか?」

『はい、そんな所です』

「この補助というのは?」

『剣ならスムーズに振れるように、弓なら確りと弦を引けるようにモーションが入ります。ただ、上級者になるとこのモーションが逆に邪魔になるそうですが・・・』

「銃の場合は?」

『射撃の反動を上手く逃がす、とかですね』

「要らないな、自分には」

『そうでしょうね』


 戦車にはちゃんと砲撃の衝撃を受け止める為の装置、駐退機が存在する。このスキルは要らないな。

 では、魔法で補助するというのはどうだろう。


「魔法で空気抵抗を減らすとかは出来るか?」


 100m先でも、2000m先でも貫徹能力に差がない攻撃とか、とても強力なのだが。


『出来なくは無い、と言っておきます』

「うむ」


 つまり工夫次第では出来るという事だな。

 幸い、自分の種族は魔法適性もあるらしく、魔法のスキルもあった。


 ・風魔法

  空気を操る魔法。風を起こすは当たり前で、レベルが高いものだと小規模の竜巻を起こせる。


 ・火魔法

  火や温度を操る魔法。火球を作るは当たり前で、レベルが高いと大規模な爆発を自在に起こせる。


 魔法はこれらにしよう。風で空気抵抗、火で温度を操る事が狙いだ。風は弾丸の空気抵抗と、エンジンに送る空気の酸素濃度を弄れたらなと考えている。火は熱関係を弄れれば、エンジンや砲身の冷却に使えないかと考えている。全ては試行錯誤だ。

 後三つだが、これらにしようと思う。


 ・迷彩

  自身の周囲の環境に適した迷彩色へ変化する。


 ・隠密

  自身が発生させる音を減少させる。


 ・走破

  地形走破性能が向上する。泥地や沼地、砂地等で沈み難くなる


 迷彩と隠密は敵からの被発見率を減らす為、走破はより行動範囲を広げる為だ。


『その三つで宜しいですか?』

「あぁ。お願いしたい」

『はい、完了しました。これでスキルの決定を終えました』

「うむ。次は何だ」

『自身が操作するキャラクターの見た目を調整する筈でした。はい』

「でも自分の見た目って戦車だろう?調整のしようが無いよな?」


 戦車の見た目を弄るねぇ・・・。いや、好きだけどね、ここでする必要が無いというね。


『そういう事です。つまり、全工程が終了しました』

「え、これで終わり?ステータス割り振りとかは」

『そんなのある訳ないですよ!戦車のステ振りとかどうやるんですか!』


 確かに。俊敏地に極振りして、時速50kmで走り回る超重戦車とか嫌過ぎる。


「やはり、他のプレイヤーはやはりステ振りはするのか?」

『そうですね、HPやMP、STRなどのステータスがあり、それにポイントを振り分けます。ただ、このポイントは成長し易さを上げるもので、レベルが上がってもポイントを得る事は出来ません』


 成程、レベルアップでポイント得て、それをステータスに割り振るってタイプでは無いのか。


『また、ゲーム開始と同時にステータスは非表示になります』

「は?」

『見えるのはHPバーやMPバー等です。貴方の場合は燃料や砲弾の残量バーでしょうか。ただ、数字での表示はありません。バーの減り具合で己や敵の残り体力等を考える必要があります』



 ぐぬぬ、それでは自分がどれ位強くなったか判り難いな。計画的なレベリングや、最適な狩場の判断が難しくなるが・・・そこは何度も繰り返して経験を積む必要があるな。

 だが、気になる点がある。


「燃料はバー表示でも納得できるが、残弾はどうなる?残弾は残りが明確に判ると思うのだが」

『安心してください。残弾は確り数で表示されます。その様な例外的なステータスもありますからね』

「それを聞いて安心したよ」


 残弾が判らないと退くべきタイミングが判らなくなるからな。何時弾切れになるか分からない恐怖と戦う必要は無いようだ。本当に安心した。


「ステ振り不要ならば、これからスタートか?」

『その前にチュートリアルがありますよ』

「成程、それは楽しみだ」


 戦車を操縦する訳だからな、楽しみで仕方ない!


『では、チュートリアルエリアへ移動します!』


 視界が真っ白になり、浮遊感を覚えた後、視界が変った。


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