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王馬鹿とプロローグ

お手柔らかによろしくお願いします!


「王様王様、聞いてほしいことがあるのです」

「なんじゃ?」

「最近、自分の畑が何者かに荒らされているのです、助けてほしいのです」

「おお!そういうことなら、あい分かった。ワシでよければ力になろう!」


 今日も王様は人々の悩みを聞いては、解決します。


「どうすれば荒らしの犯人を見つけられるかのう・・・。!!そうじゃ、ワシの配下の騎士に二十四時間三百六十五日、見張らせればいいではないか!」

「えっ」

「では、すぐに取り掛かろう!城に戻ってから、作戦開始じゃ!」

「お・・・王様?流石にそこまでのことは・・・」

「気にするでない。ワシは国民に幸せになってもらいたいのだ、このくらいわけないわい!」


 王様の解決法は、いつも色々ぶっ飛んでいて、お付の騎士が言うには、


「王様に付いていると暇なときがありません・・・さっきも、今日は悩みを五件聞いたぞ!などとおっしゃっていました・・・おそらく今から仕事ですね・・・」


 だの、


「私は、ついさっきまで隣町に猫を探しに行っていました。もちろん王の命令です。ただ・・・十人も連れて行ったので色々と問題になりかけましたよ・・・」


 だのと、毎日忙しそうに悩みを聞いては解決している王様に振り回されている様子。

 しかし、彼らは必ず最後に、


「王様に仕えてよかった」


 と言います。なぜかと言うと・・・


「毎日、国民の皆様にお礼を言われるんですよ。王様に助けられた、って。国民を大切にしているのが分かるんです。彼は、私たちの自慢の王様です」


 と、ある騎士は言い、


「あんなに楽しそうに国民と話されますし、治安もとても良い。これも王の人柄のおかげなのです」


 と言ったり、


「王様が自ら問題解決のために行くもんですから私たちが見ていないと心配で心配で・・・でも、不思議と悪い気はしないんですよ」


等とも言われます。

 余りに色々世話を焼く王様は、いつしか「王馬鹿」と呼ばれるようになりました。親馬鹿から取った名前で、親が子供に世話を焼きたがるように、王は国民全員に対して世話を焼く、ということのようです。

 流石に馬鹿にされていると思われるかもしれなかったので、そのことは王には知らされていなかったのですが、ある日、


「今日も王馬鹿がこっちに来たぜ」

「こっちでも色々解決していったみたいだぞ」

「ほー。・・・して、その王馬鹿とはなんじゃ?」

「「・・・王様!?」」


 と、子供たちが話しているところを散歩に来ていた王様に聞かれてしまったそうです。その時の子供たちは、処刑を覚悟したそうですが、王様は、


「ハッハッハ!!王馬鹿、のう・・・良いではないか!!」


 と満足げに高笑いをしたそうです。それから、


「王馬鹿でみんな大好きな王様」


 として、国民から好かれていったのです。



 そんな王様に対して、国民は一つだけ心配なことがありました。それは、


「大規模な困ったこと・・・事件などが起こったときにどうなるのか・・・」


 ということでした。そしてその答えは唐突にやってきます。


「王様!大変です!!」

「何事じゃ!!申してみよ!!」


「ま・・・魔物の大群が、この国に向かってきているとの情報が入りました!!」


 散歩中の王様への一言で、周りの空気が凍りつきました。しかし、それは、魔物に対する恐怖ではありません。


「分かった!!城に帰って作戦を立てる!皆の者!付いて参れ!!」


 この王様がどんなことをやらかしてしまうのか、ということにです・・・

王様がどんな人物かが分かっていただければ幸いです。

ゆっくり進めていきますのでよろしくお願いします!

また次回!

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