表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/18

5話 色々といじってみる

目の前の自分の影がだいぶ長くなってきた。

砂漠とかだと寒暖差が激しいとか聞くけど

昼間に関してはそんなに暑いとかではなかったな。

どのくらいの緯度なんだろう? 知識がないから緯度だけわかっても意味ないか。

勉強しておくにこした事はないんだなぁ、なんて異世界で反省する羽目になるとは。

空気の感じというか湿気の少ない乾いた感じからすると海からは離れてる?

いや、それ以前に海があるかもまだわかんないか。

昔、出張でアジアのある国に行った時、空港に着いて飛行機から出てすぐに

空気が乾燥してて、ああ、違う大陸の国に来たんだなぁ、って思ったけど

あの国あたりだと夜はかなりさむかったはず、って季節にもよるのか。


でもあの時の乾いた感じの空気には似てる、日本より緯度的には北方向かも?

少なくとも熱帯とか亜熱帯ってことは無さそうかな。

暗くなり過ぎる前に夜の準備をしておくほうが良さそうだな、はぁ~。

結局、未だに人か生き物には出会えず・・・・・か。


「ルピス、今日はここらで晩飯にして寝る準備しようか。」

我が人形殿にそう言うと、

「ん ごはん ねる する」

聞き分けの良い事だが、こいつって今まで戦闘以外した事ないんだよなぁ。

何かさせるっても、思いつかんし・・・・。

・・・・・ちょっとづつ、出来る事を教えてやるしかないな、それまでは

むしろ、俺が従者というかお世話係か。


とりあえずは座るにも何か欲しいな、アイテムになんかなかったっけか。

んーっと、おっこれ使えるかな、ジャジャーン、黒虎の毛皮~♪

ふむふむ、つやつやしておるな、毛足が短いような気もするけど

敷物の代りにするのには十分だろう。

革スキル上げ用に溜め込んでアイテムリスト圧迫してた・・・・・けど、

けど・・・・・、ありぇ~? 同種のアイテムがスタック出来る様になってる。

並べ替えは自動の設定・・・・って、そか設定いじれるんじゃないのか?

えーっとえーっと、ウィンドウ開いてゲームの設定ってあったはず・・・・。

ただの設定ってなってるな、ゲームではないって事か?


んー、いじれるのは・・・・、いけね、ルピスをほっときっぱなしにしてた。

後でいいか、ここら辺を詳しく見ていくのは。


雑貨やら布製品、素材から使えそうな物を引っ張り出す。

毛皮を下に敷いて、風で飛ばされたり、めくれない様に重しになにか・・・・。

適当なのがないなぁ、木材でいいか、流石にベッドとかここで出して

急に何かに襲われでもしたら、放り出したまま逃げる事になりそうだし。

身軽にしておいて、出していいのは放棄しても惜しくないものにしとこう。


小さなランプと毛織物を多めに出して寝床というか巣を作る。

ハムスターか猫にでもなった気分だな、暖かい。

ランプに火を付けるには・・・・・、攻撃魔法じゃランプが壊れるよなぁ。

ああ、火打石があったな、どう使うんだコレ、打ち合わせるのか?

カチッ ガチッ ガツッガツッ 火花は散るんだけど、

上手くランプの芯の先に火花がいかない、結構何回も繰り返してやっと火が付いた。


ホビット用の小さな机があったので出してみる、座って使うのに丁度良い。

机の上にパスタとお茶を二つ出してルピスと一緒に頂く、美味いな。

パスタは盾職の防御効果UP用食事だっけか、聖騎士のLV上げの時に食ってたな~。

ちなみに食器はセットで一式あったので小さい方のフォークをルピスに使ってもらった。

なんかのクエストのクリア報酬で貰ったんだっけな。

うまうま、はぐはぐ、ごくごく と食事はすぐに済んでしまう。

軽く酒でも飲みたいけど、そうもいかんか、あまり油断できる状況でもないだろうし。


「ルピスは先に寝るか? こういう時は交代で不寝番とかするんだろうけど・・・・・。」

「んー まだ へいき ますた ねる ?」

ふむ、試したい事もあるし、先に休んでおくのもありかな。

「んじゃ、先に少し寝るから3時間くらいしたら起こしてくれるか?

 当然なにかあったら直ぐに起こして欲しいけど。」

「ん ますた まもる」

まぁ、ここまで生き物の影すら見てないし、こんだけ真っ平らなとこなら

敵意のあるのが近づいて来れば、それなりの距離でわかるだろう。


盾とモーニングスターを装備し、やる気溢れるルピスに見張りをまかせて

毛織物にくるまって寝かせてもらう、ああ、やっぱり疲れてたんだな。

目を閉じたらすぐに意識が落ちていった・・・・・・。





「・・・・・・・すた ますた ?」

「ん・・・・・、ああ、ルピス か、起こしてくれたんだな、ありがとう。」

「ん いじょう なし です」

「ふぁ・・・・・・・、あー、うん早いとこゆっくり眠れる様になりたいもんだな。」

流石に眠り足りないけどしょうがないな、ルピスを休ませたいし。

「で、どうする? ルピスはアイテムリストに戻って休むか?」

「ますた そば いる」

ふむ、確かアイテムに戻ると HPやMPの減りが回復したはずだけど

今は、戦闘した訳でもないし、そのまま寝ててもらった方がいいか。

「じゃあ、ほら これにでもくるまって休んでな、今度は俺が見張っておくから。」

毛織物を渡してみるとせっせと巣作りを始めた、

・・・・・・あれは自分でもやってみたかったっぽいな。

「ますた おやすみ です」

「ああ、お休んでおけ。」

しばらくもぞもぞしてたみたいだけど、5分もしないうちに小さな寝息が聞こえだした。


空には夜明け前に見た二重の月が大きく存在を主張している、圧迫感あるなー、コレ。

んー、まずはさっきの続きというか、設定いじれるかの確認だな。


ウィンドウ開いてって、・・・・・ふむ、ターゲット関係は以前に使いやすくしたままか。

タゲの切り替えは自動(オート)で一番近くにいる敵に行くようにしてっと、

ふむ・・・・・やっぱりな明暗とか解像度とかこっちの世界側に関わりが深い項目は

いじれないみたいだな、チャット関連も操作できなくなってるか。

いじれるのは自分とペット扱いのキャラに関しての一部の項目だけか。

当然BGMとか効果音も駄目と・・・・・、

あれ? 言語設定が二重音声になってるけど、日本語とその他ってなんだ?

こんな設定あったっけな? スライダーで音量設定って、なんだコレ?

実際にこっちの世界人に話しかけられないと、どう聞こえるのか想像しづらいな。

つか、設定がこっちの世界向けに変わってるって事は、

いるんだろうなぁ。・・・・・話のできる存在が。

普通の人間とか贅沢は言わないが、いわゆるファンタジーの定番人種である事を祈る。


あとは・・・・・・、基本ゲームやってた時のままでいいか、アイテムのソートとか

並び替え、同種アイテムのまとめとかは自動(オート)にしといてっと。

ウィンドウは半透明のタイプにして、警告関連を赤色と黄色で表示にして・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・こんなもんか。


ひと段落したのでマップを確認してみる、いまだに自分を表す青い点と

ルピスのであろう白い点が真ん中にある以外は何も表示されていない。

狩人のスキルである広域マップ探査にも何も引っかからない。

まぁ、まだこの世界に来てやっと一日ってところだ。

少なくとも狭い世界という訳じゃないのは確からしい。


夜が明けたら移動速度を上げる手段を試してみるか、ちょっと怖いけど。

このまま歩いてるんだと何かと接触する前に食料が不安なことになりそうだからなぁ。

ルピスは、いったんアイテムリストに戻ってもらうとして、

そうしたら俺一人をなんとかすりゃいいんだから、犬か、鳥か、飛竜あたりか。

無難に犬か、鳥はバカだし、飛竜は大き過ぎるもんなぁ。


夜空を眺めつつ、犬の好きそうな骨を素材リストから確認しておく。

明日はどうなるんだろう?、なにかに接触するんだとすると

攻撃魔法とか今のうちに練習しとくべきかなぁ。

使いやすそうなのをマクロ組んでおくか、ちょっとワクワクするな。

なんだかんだ言ってもオタが過ぎて色々とやってた自分からすると

チート無双にはやはり憧れがあるのは間違いない。


ふふふふふ、現状のバカみたいなステータス値で放ったソレが

どんな効果なのかが実の所、とてもとても楽しみな俺の、MMOでのメイン職業は


そう、行動阻害魔法を一番の得意とするいわゆる補助魔法使いなんであった。















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ