※関係ありません。
よし、まて・・・しっかりと考えてみよう。
まず俺の名前はミツルだ。
父は公務員、母は専業主婦の平凡な家庭に一人息子として生まれた。
ぬくぬくと育ちやんちゃもしながらなんとか高校に入り、友人にも恵まれた。
大丈夫ここまではちゃんと覚えている。
ちょうど友達とマックに寄り道をしてから帰るところだった。
急にクラクションがなり、ドスっと鈍い音が聞こえた。
そこでゆっくりと沈むように僕の意識は途切れた。
それからは冒頭に戻る。
つまりなんだ・・・俺は死んだのか。
交通事故であっさりと。
こういうことは中学生の頃にも夢に見ていた。
異世界転生チートハーレム生活。
しかし実際になってみるとそう嬉しいものではないな、綺麗な女神さんにも会えてないし。
とりあえずあれだ、俺そろそろ泣き止んだらどうだ?
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早いもので、もう5年が過ぎた。
俺の名前は生まれ変わってもミツルだった。
呼ばれる名前に違和感がないのでありがたいことだ。
今までの5年何があったかをさくっと語ろう。
まず、赤ちゃんに自我があるというのはとても辛いことだ。
垂れ流しにする糞尿。笑顔で差し出される食事。
まぁこれ異以上は語らずともなんとなく想像がつくだろう?
それから、ハイハイに喜ばれ、初めての言葉「ママ」に喜ばれ、すくすくと育った。
ほんとに幸せな家庭に生まれてきたなと思う。
家業は農家だが、割と裕福だと思う。
少なくとも食には困ってなさそうだ。
隣の家のミカとも仲良くなった。
同い年の子で肩口で切りそろえた黒髪にパッチリとした大きな眼、将来が楽しみになるくらい可愛い。
寝て、起きて、食べて、遊んで、寝て。
それがこの5年間だ。
さて、この世界はどうやらファンタジーに満ち溢れているらしい。
剣と魔法の愛すべき世界だ。
ファンタジーと言ったら魔法、魔法と言ったらファンタジー。
中学生の頃思い出したくもない暗黒時代だが、その根は今も変わっていない。
魔法を使いたい。僕の心はそれで満たされていた。
しかし、何もしないままでは魔法なんて使えない。
教会で祝福を受けなければならないだ。
そして、今日5歳の誕生日の僕は協会に行く。
そこで適正を判断し、それぞれに合った祝福を与えてくれるのだ。
ほんとにご都合主義まさしく異世界転生だ。
あぁ魔法使いの適性を、魔法に関する祝福を。