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戦国恋歌  作者: Maaa
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―――…景政様が…?



「毎日毎日同じ場所で、自分の嫁候補と私が会っているという話を…もしあの男が聞いたら───どう思うだろうな」





『わが父上は負けず嫌いな上に独占欲が強くてな』





椿は先程の景政の言葉を反芻した。





「……仕組んだのですね」




そう、全ては彼の計算だった。




わざと人目がつかない場所を選んで琴菊と会い、密会を重ねる。



しかし琴菊は大国の姫とはいえ、嫁候補。

今現在、この城の中では椿と共に琴菊は否応なしに目立つ。


言葉のひとつひとつも






────不自然な行動も。






義影の耳に入るまで、そう時間もかからなかったことだろう。



「………」




なんのために、とは聞かなかった。




椿には彼の意図がわかったから────。



「案の定、あの男は姫君を寵愛しだしてくれた」



ここ最近の義影の振る舞いは、実の息子にあてつけるためだった。





─────そして





「このまま───お前の存在が忘れられれば…」




義影が琴菊に執心すれば─────。






椿に回された腕に力が入る。





「………景政様…わたくしは」







変わらず自分を想ってくれている、その気持ちだけで十分………そう言おうとした。


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