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戦国恋歌  作者: Maaa
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ゾクッとした感触を椿は軽く叩いた。


「景政様!」


真面目に聞いてくださいと言う椿に、景政はクスクス笑うばかり。


「怖いな」


そう言いながら手は着物の中から引っ込められたが、椿は再び後ろから抱きしめられる。



「ひと月前がどうした?」


「………渡殿で…景政様のお声がしました」




背後で彼が“?”と首を傾げる気配がした。




―――…覚えていらっしゃらないのかしら





無意識に声が刺々しくなってゆく。






「琴菊様のお声もしましたわ」



ああ、と納得したような声が聞こえる。


「見ていたのか」


「“聞いて”いました」




景政の態度に椿は嫌味な言葉を返してしまい、しまったと少し後悔した。



「………」





シンとして何も言わない景政に、椿は不安を覚える。



「………景政…様…?」




そろりと背後に顔を向けると────






「妬いているのか?」




―――――………。





「…は?……な…ッ!!」



椿が一瞬意味を理解しかねたが、すぐにぶんぶんと首を振る。



しかし景政は



「そうか、それは悪かったな。だがお前が妬いてくれて私は嬉しいぞ」


クスクスと楽しそうに笑う景政とは反対に、椿の顔は耳まで紅く染まる。



「ちッ…違いま…景政様!!」

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