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一
吹き終わった後、遊び半分で奴に提案した。
椿が何をするのかという少しの好奇心と
“曲の意味”に気づいたかどうかの期待
椿は冷静な表情の下、何をすべきか悩んでいるようで、可愛く思えた。
――――少し難しかったか
そう思ったとき
「わたくしは歌を」
――――――。
「曲は弦歌譜より、歌曲‥」
━━━━━佳月夢想…。
景政はそっと目を閉じた。
ーーー期待以上だ
澄んだ美しい歌声が
平安の世の雅な言の葉を紡ぐ。
楽器を使っていないその歌は、声のみで奏でられることで切なさを増す。
景政は誰にも聞こえないほどの小声で呟いた。
「―――椿…」




