表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国恋歌  作者: Maaa
38/61


「おお、よい考えじゃ。お前もたまには気の利いたことを言うではないか。そなたたちの得意なものでよいぞ。何かしてみせよ」



どうやら義影は上機嫌で乗り気だ。




――…何かと言われても…一体何をすれば…?



目のことを気づかれないような何か━━━何があっただろう?




椿が戸惑っていると…


「…では、わたくしから」


琴菊はたいして動揺もしていないように言った。


「わたくしは和歌を詠ませていただきます」




――――……和歌…。



琴菊は堂々と言葉を連ねる。彼女は緊張していないのだろうか。




「ではわしのために歌ってもらおうか」


「光栄に存じます」


しばしの間。



そして


琴菊は短く息を吸って、通る声でゆっくりと詠み始めた。







━━━けふという良き日に出逢いし吾が君 に……





『今日の良き日にあなた様と出会えたのは運命でございましょうか


この心が騒ぐのを一体誰に止められましょう…』






詠み終わった琴菊は可愛いらしい声で「いかがでしょう」と言った。



即興で作った歌に…自分のことを詠んだと思っている義影は琴菊を手放しで褒めた。




しかし



―――…琴菊様…。


椿は直感で気づいた。


彼女の歌の気持ちは、義影に向けられたものではないことに。



“吾が君(愛しき人)”とは、彼女の向かいに座る景政のことだと…。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ