表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国恋歌  作者: Maaa
19/61


「椿…」


名前を囁かれたのと共に、彼の息遣いを近くに感じた。



―――…景政様…?




品の良い香の香り


椿の頬に触れる指…


しかし


ふと、それまで間近にあった気配が消えた。




―――…え?


手からはぬくもりも消えた。




「景政様…?」




小さく舌打ちが聞こえた。



「…人が来る。残念だがもう失礼しなければ、 お互い危ないな」




――…人?


そういえば遠くに足音を感じる。景政に意識を集中しすぎて気付かなかった。


立ち上がる音がした。




「――…景政様」


「また来る……と言いたいところだが、難しいな。」



「…………何故です?」



―――…もう会えない?



「立場上、難しい。」


「立場?」



次の瞬間、 彼の言葉に椿は眩暈のするほど衝撃を受けた。





「あの豚…いや、父上の嫁候補だろう?お前は」





――――………父…上?


「…………」




混乱して声が出ない。





「次に会うのは…宴の席かもしれんな」




椿には彼がどんな顔をして言っているのかわからない。






「…失礼した」


彼は来たときと同じように、ほとんど足音を立てずに去って行った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ