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戦国恋歌  作者: Maaa
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バサバサッ!!!


突然吹いてきた風に、椿の描いた紙が外に飛ばされてしまった。





「あ…」




椿は紙が飛ばされる音のした方を見た。 染乃が慌てて拾いに行こうとする。




――……?




「待って、染乃。誰か来るわ」


静かな足音。


廊下からだ。


忍んでる風ではない。


一体……?







「失礼。椿を一枚拾ったのだが」



低音の心地よい声。


椿は声のした方を向いた。


「わたくしのものです。拾っていただいて有難うございます。風の悪戯で飛んでいってしまったのです」


「他にも何枚か?」


声の位置が高い。


椿は少し上を向いた。


「あ、はい。……でも外に飛ばされてしまったので、もう…」


「あの風ならば、そんなに遠くまで飛ばされてないだろう」


そう言うと、ザリッと男が庭に降りる音がし た。

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