契約解除
ども紫苑です。
今回はかなり短めです。
別に手を抜いたわけじゃないですよ?(ただ1週間後期末テストがあるんで)
2回目ですが手ェ抜いた訳じゃないです。
そんな筆者の10話目どぞ
神楽を持った瞬間、熱いやかんに触った時のように手を引っ込めた。
「熱ッ」
「なにこれ?」
「熱くて持てないんだけど?」
「どう言う事?」
せっかく意気込んだのに・・・・
「当たり前じゃ バカ、まだ契約の解除をしてないじゃろ。」
「マナがないなら、神楽が拒否するのは当然の事じゃ。」
「拒否ってまるで、神楽が生きてるみたいだね。」
「そうとってもらってかまわん。」
「神楽には、精霊が宿ってる。」
「ふ~ん」
ん?なんか聞き捨てならない事を言ったような?
「ねぇアトスさっき神楽に精霊が宿っているとか言わなかった?」
「それって冗談だよね?」
「冗談などではないわい。」
「お主にマナが戻って、神楽に触ったら、向こうから接触してくるじゃろ。」
「ホントに?」
「信じられない。」
「武器に精霊が宿るなんて・・・」
この武器は、やっぱりいろいろな常識をぶち壊してる。
「まぁ普通に考えたらあり得ないんじゃがな。」
「どんな人なの?」
僕はその精霊にけっこう興味があった。
いったいどんな精霊が宿っているのか。
「一言でいうと気難しい女じゃが、気に入った相手ならけっこう気さくに接してくれるはずじゃ。」
「手の甲にキスでもしてみたらどうじゃ?」
「えええ!!」
「そんな、僕絶対無理だよぉ。」
「僕、人見知りだから、女の人と喋るのも無理なのに手の甲にキスなんて無理無理。」
「大丈夫じゃ。」
「お主のナンパテクでなんとかなるはずじゃ!!」
「ぼ、僕はナンパしたことないよ。」
「まぁなんとかなるじゃろ。」
「ならないよ!!」
僕は盛大な突っ込みを入れた。
「はぁー」
「まったくもう。」
「ほんと計画性がないんだから」
僕は顔に手を押さえて、今日何度目かわからないため息を吐いた。
「冗談はさておき、そろそろ契約解除するぞ。」
うん。
ぼくは短くそう答えた。
アトスはうなずいた後、紫色の魔法陣を展開した。
そして、詠唱の言葉を紡ぎだした。
「太古の縁、我が盟約よ天音の奏宴に終焉を、終われ、かの者夢よ」
「我、盟約を破棄する者なり、束縛した魂、今、主のもとに帰れ」
「エネミケーション!!!」
詠唱が終わったアトスの体から赤色の光が出て、僕の体の中に入っていった。
その瞬間僕は、本来の力を取り戻した。
「ドクン、ドクン」
と心臓がいつもより速く鳴る。
体が軽い。
なんだこの感覚。
空いていたパズルのピースが今埋まったみたいな感じがする。
「これがマナなんだね。」
「そうじゃ。」
「どうじゃ?力を取り戻した感想は?」
「なんか体がポハポハしてる感じがするよ。」
「そうか。」
「その感覚に慣れるに時間が少しかかると思う。だから少し休め。」
「いやいいよ。」
「もう慣れたよ。」
「嘘をつけ。」
「普通の人間なら丸1日気絶しててもおかしいはずなんじゃぞ。」
「さっきは黙っておったが、この魔法もほとんど掛けのよな物だったんじゃ。」
「意識があるだけでも十分すごいんじゃ。」
「だから悪い事はいわん、少し休め。」
「アトス、僕を心配してくれて、ありがとう。」
「でも、すごく今、気分がいいんだ。」
「それに、早く蘭の所にいかなくちゃならないんだ。」
「お願いアトス。」
「僕に行かせて。」
僕はアトスの目をじっとみた。
・・・・・・・・
30秒ほど目を合わせていた。
僕が引かないとわかったのかアトスは
「ふぅぅぅぅぅう」
「勝手にしろ!!」
そう言ってそっぽ向いてしまった。
僕は苦笑し、
「ありがとう」
そう言って神楽を握った。
後ろからは
「気をつけるんじゃぞ。」
と言う声がきこえたので、
僕はまた苦笑し
「行ってきまーす」
そうつげて神楽を握って、この武器に宿っている精霊に心の中で話しかけた。
kannsouyorosikuonegaisimasu...