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7.5話~才能~

「火の精霊よ、我が呼び声に応え。

  契約に従い、我が魔力を糧とし、

  燃え盛る紅蓮の炎で、我が敵を燃やし、射貫け!」


『ファイアーボルト!』


メイがそう言い放つと同時に

杖の先端から燃え盛る炎の矢が岩に向かって飛んでいく。


次の瞬間――

ドゴォォン!という轟音が大地を揺らした。

岩を炎が包み込み、炎の矢が当たった所は抉れていた。


「とまぁ、これが《魔法》です!」

得意げな顔をして、メイは腰に手を当ててふんぞり返っている。


「すごい威力だねぇ……」

私は、初めて見る攻撃魔法の威力に驚いた。


「そうでしょう!そうでしょう!もっと褒めてくださいっおねえさまっ!」

メイはそう言うと、私に抱きついてくる。


「《魔法》は《魔力》がある人間にしか使えません

 つまり!ワタシは才能があるという事ですっ!」


「そういえば、レイスは前に《魔力》ともう1個なんか言ってたよね、

 なんだっけ……」


「《オーラ》だな。」


「そうそれ、それはなんなの?」


「《オーラ》っていうのは、《魔力》と対になる《気力》という力を用いた技で

 上手く扱えば身体能力を向上させ、免疫力や治癒力を高められるんだ。」


レイスは、メイの燃やした岩に近付き剣を抜くと、


「こんなっ風にっ!」

一刀両断!剣が岩を真っ二つにした。


「すごい……」


「でも《オーラ》の扱いは《魔力》よりも難しいみたいで

 上手く扱えない人の方が多いみたいですけどねぇ?」

メイはレイスを何故か睨んでいる。


「まぁ、俺も師匠に出会うまでは、扱い方を知らなかったからなぁ。」


「私もどっちか使えるようにならないかな……」

私は、胸がざわつき、不安を覚えた。


―――二人共、私には無い才能がある……


レイスは困ったように頭を掻き、

「悪い、俺は完全に師匠からの教えで使えるようになっただけで

 俺から教えられる事なんてないんだ」


「ダメな男ですねぇ。」

メイはなぜかレイスに対してアタリが強い。


レイスは苦笑いしながら、

「それに、《魔力》も《オーラ》も万能じゃないんだ

 使えば疲労が溜まるのが速くなるし

 どちらの力も尽きてしまえば、しばらく動けなくなる。」


「でも、少なくとも私には扱えなさそうだよね……」


少し落胆し、私はふと思い出したように、

「ところで、《魔力》を持っている人の見分けとかできるの?」


「よく聞いてくれましたっ!

 ワタシみたいな魔法使いであれば、魔力探知を発動すれば容易です、がっ!

 実は見た目でも大体分かっちゃいます。」


メイは杖を振りながら歩き、得意気に説明しだした。

「そもそも、前提として《魔力》はルノーワ人にしか宿らない固有の力で

 私の祖先にもルノーワ人が居ます。」


(固有の力、ってことは、《魔力》も期待できないか……)


私は再度、落胆した。


「ん?祖先ってことは、メイちゃんの親は違うの?」


「私の両親は帝国人との混血ですね。」


メイは自身の青みがかった黒髪を持ち上げ、

「私の髪は黒色が強いですけど、血の濃いルノーワ人は

 髪が綺麗な青色か緑色なので、パッと見でわかりやすいです。」


続けて、メイは自分の耳を摘み、

「さらに、純血に近いルノーワ人は、耳が少し尖ってます。

 今は貴重らしいですけど。」


「ふーん……どうして貴重なの?」


私がそう聞くとレイスとメイは顔を見合わせ、黙る。


レイスが言い辛そうに口を開くと、

「ルノーワ人は、大昔に帝国に、身体に宿る魔力を求めて侵略され

 大量に捕らえられて、その多くが奴隷になったらしい。」


「あっ……」

その瞬間悟った、私の世界でも、歴史の中で同じような事があった。


「だから……今でもルノーワ人は帝国人を憎んでいる。」

レイスは悲しそうに言った。


「随分、大昔の事なので、ワタシの世代だとよくわからないですけど……

おばあちゃんとかは……混血のお母さんを嫌ってました。」


「そっか……」


―――――この世界でも、差別があるんだな。


そう思い、ちょっと切なくなった。


「さて!少し暗い話になっちゃいましたけど

 次は実戦に向けての練習をしましょう!」


「そうだな、ある程度決めごとをしておかないと

 背中を燃やされるかもしれないからな。」


「なにおうっ!?ならっ!いまっ燃やしてあげましょうか!?」

メイは杖をブンブン振りながらレイスに襲い掛かる。


「ちょっ、おい!やめろ!」


「……ふふっ」


―――私はその姿を見て笑い、輪に加わった。

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