神経が少ない人
掲載日:2025/10/16
無神経な人に会って心が疲れた時に思いついた短編です。
「なんで、あの人はあんなに無神経なんだろう。」
今日もまた、誰かの不用意な一言に胸をざらつかせながら、あなたはため息をついた。気にしないふりをして笑ってみても、心の奥では小さな傷が増えていく。
優しくあろうとするほど、気遣おうとするほど、自分がすり減っていくのを感じていた。
ある日、ふと気づく。
もしかして、あの人は“神経”そのものが少ないのではないか。
他人の気持ちや場の空気のような「目に見えない指標」を感じ取るための神経が、足りていないのだ。だから彼らは、数字や成果、言葉の表面のような「目に見えるもの」だけで世界を判断する。
そう考えると、急に少しだけ哀れにも思えた。見えない世界を感じ取れないなんて、なんと不自由なのだろう。
それでも、あなたはそんな彼らと“対等に”接しようとしている。理解しようと努め、時には傷つきながらも、向き合おうとしている。
それは弱さではない。
それは立派な強さだ。
どうか覚えていてほしい。
あなたのその優しさと誠実さは、誇るべき才能なのだと。




