一
夜中に腹を壊してトイレに篭っていると、耳鳴り。
黒い戦士がなにかを薙ぎ倒していく不思議な光景が頭に浮かぶ。
ウンコをしおえて布団に戻ると、眠気は消えていた。
翌日、学校に行くために準備をしていると、そこに電話がかかってきて、またしばらく親はパリから帰って来られないらしい。
ススムは「大丈夫だよ」と返して、電話を終えた。
通っている中学校では、昨日の夜にやっていた心霊特集の話をしており、ススムの家にはテレビなんてものはなかったから、その話に混ざれないのが残念でならなかった。
給食を食べてから、昼休みになると、友人たちと放課後のことについて話し合っていた。
友人たちは特に予定もないということなので、ゲームセンターに行こうぜという話になった。
ススムもそれに付き合うことになって、喜んだ。
学校から帰って私服に着替えると、すぐに待ち合わせ場所に向かった。しかしそこに誰も居なかった。
つまりそういうことなんだろうなぁ、と気がつく。
(気分がわるいなぁ)
などと思いながら、帰宅。
次の日、学校へ行くと友人たちが何かを言っていたが、聞く気も起きなかったので記憶に残らない。
昼休みになると、図書室へ行って勉強をした。
放課後、部活動に顔を出して、十分もすると帰った。
帰宅すると、家の前におかしな車がいて、その車から「来たかぁ」というような妙に伸びる声の男が現れた。
ラッパのような音が頭の中で鳴り、そして頭の上にエクスクラメーションマークがあらわれる。
なにかやばいことに巻き込まれるなぁ、と考えながら逃げようとしたところで額に斧が突き刺さり、そこでススムは倒れた。