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貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら  作者: 普通


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仮想空間×小久間岬

私は初めて男性に触れた。思っていたよりも柔らかい。





何よりも手に触れるために、私はユウさんの隣に居る。

隣に男の人がいるという状況が初めて過ぎて、心臓のドキドキも収まらない。



「こんな風に「触れてもいいですか?」って聞かれるのは初めてです」



「そ、そうですよね」



「はい。でも、女性の手に触れるような機会はあんまりないので、僕もありがたいです」



「こ、こっちこそです!」





なんでこんなにユウさんは優しいんだろう。


女性に手を触れられることを嫌がらず、いつでも笑顔で居てくれて、私の話を嫌がらず、聞いてくれるような存在はユウさん以外にいない。




ユウさんは自分の手と私の手を見比べている。



「やっぱり男性と女性で性別が違うので、手の大きさも違いますね」



「そうですね。全然違いますね」


私が近くにいても、ユウさんは私に怯えている感じが全くしない。女性に慣れているのか、それとも私のことを信じてくれているのか。



前者だと嫉妬しちゃうけど、さすがに嫉妬の感情を表に出したりはしない。そんなことをしたら、ユウさんに重い女って思われるかもしれないから。



ユウさんは私の手に触れながら、優しい瞳で私を見つめて来る。



「アバターを通してだとしても女性の手に触れるなんて、今までの自分じゃ考えられませんでした。それもこれも岬さんが僕に愛想を尽かさずにずっとやり取りを続けてくれたからですよ」


それは私のセリフです。私みたいな人とずっとやり取りを続けてくれたことに感謝です。だって私よりも魅力的な人なんてたくさんいるのに。




「いえ、私に男性と触れ合う機会をくださって、こちらこそありがとうございます」





このままの時間が続くだけでも幸せなのにまだ――――――




「岬さんの手はずっと触れていても…心地いいですね」



「心地いいですか?」



「なんか安心します。誰かとこんな風に手と手を合わせる経験というものがほとんどないので、詳しいことは分からないんですけど」


話している時のユウさんはなんか安らかな顔をしている。本当に私と手を合わせることで安心しているような。



私の手でユウさんの心が少しでも安らげるんであれば、いつでも差し出す。いつも自分がユウさんに助けてもらっている分、ユウさんを助けられる状況になったら全てを投げうっても助けたい。




「私はいつまでもこうしていますよ。ユウさんが落ち着くまで」



「…岬さんは優しいですね」



「いえ、いつもユウさんには助けてもらっているので」





幸せな時間が流れた後にまたユウさんは―――――――



「岬さんのような魅力的な方とお話できて、嬉しいです」


本当にユウさんは全て言ってくれる。私の心を読まれているんじゃないかと思ってしまうぐらいには、言われて嬉しいことを。



「子育てもお聞きしていると大変なのが伝わって来ました。少しでも僕とやり取りをすることが息抜きになってくれていたら…僕としては嬉しいです」



「息抜きというか……生き甲斐になっていますよ」



「生き甲斐はさすがに言い過ぎだと思いますけど、岬さんがそう思ってくださるぐらいに楽しんでもらえているんであれば」


ユウさんと出会う前と出会った後では天と地ぐらいに違う。




「これからも岬さんとは仮想空間でも、メッセージ上でもたくさんやり取りをしたいと思っているので、これからもよろしくお願いします」



「こちらこそ、もっとたくさんユウさんとお話したいです!」


できるなら…これからもずっと。




今まではただやり取りをしてくれるだけでもよかった。次は会いたいと思って。今は結婚したいという気持ちが高くなってくる。


いくらユウさんが優しくても結婚してくれる可能性なんてほとんどないのに、それでも望んでしまう。




これからもユウさんと。



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