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貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら  作者: 普通


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花里小夜×月森景都

花里小夜と月森景都の大学内でそれなりに有名な2人だ。花里小夜は大学1年生であるものの、その持ち前のコミュニケーション能力で1年生でありながら知らない人がいないとまで言われている。



月森景都は大学2年生でテニス部のエース。容姿や性格も相まってクールであり、そういうところが通う学生の心を射止めているのだ。ファンクラブなどが存在するほどの人気を誇っている。






そんな2人が今日は一緒に昼食を取っている。



「景都先輩って自分でお弁当を作ってきているんですか?」



「うん。いずれ一人暮らしをしようと思っているから作れるようにしておこうと思って」



「へぇ、そうなんですね。私は料理苦手で作れそうにないかな…」



「小夜さんも練習すればすぐに出来るようになると思うよ」



「そうですかね~将来のためにもできた方がいいのは分かっているんですけど、やる気にならないんですよね」


そんな他愛のないような話をしているものの、他の学生は誰も近付こうとしない。オーラのようなものが纏って見えているのか、遠目から見ているだけ。



「景都先輩はそろそろ大会ですか?」



「そうだね。頑張らなくちゃならない時期に入る」



「すごいですね。あたしはどこの部やサークルに所属するのは面倒だと思って、入っていませんね」



「別にいいんじゃない。入らなくちゃいけない決まりがあるわけじゃないし、ボクは元々テニスが好きだったから未だに大会に出ているだけ。ボク以外のサークルメンバーは出ないし」



「それがすごいですよ。あたしにはそこまで夢中になれるスポーツはなかったので」



「人それぞれだと思うけど」


そこで話は途切れ、次の話題へと移っていく。



「急に話が変わるんですけど、景都先輩って葉山優という男の子のこと知っていますか?」



「…知ってるよ」



「まぁ…有名ですもんね。知らない人なんかいないか」



「うん」



葉山優という名前を大学で知らない人がいるとしたら大学に来ていない人だけだ。来ていれば絶対にその名前を耳にする機会があるはずなのだ。



「あたし、初めて男の人に会ったんですけど、やっぱりいいですね。話し掛けに行ったら、普通に対応してくれて、会話をしている時も笑顔でいてくれて、もうなんか一瞬で好きになっちゃいましたよ」



「…好きに?」



「はい!なので、後悔する前に告白しちゃいました!」



「え、告白!?」



「そう、告白です。変に抱え込んで想いを告げられずに終わるなんて嫌じゃないですか。だからちゃんと言えるうちに自分の想いを伝えました」


月森は花里の行動が凄すぎて唖然としてしまっている。なぜなら、彼女も葉山優に対して特別な感情を抱いている者だが、勇気が出ずに告白はもちろんのこと自分から話し掛けに行くことも出来ずにいるのだ。



「だってずっとこの気持ちを抱えていくなんて嫌だったんで。葉山くんとこれから先もずっと会えるとは限らないですし」



「…そうだよね…小夜さんはすごいな」



「そんなすごいことじゃないと思いますけど、普通にフラれちゃいましたし」



「それでもすごいよ。自分の気持ちを相手に伝えるのってかなり勇気がいることだから」


花里は勇気を出して告白したことでスッキリしているのかもしれない。反対に月森は未だに気持ちを伝える決心がないのでモヤモヤとしているのだろう。



「さっきは後悔したくないから告白したって言いましたけど、もうちょっと仲を深めてからでも良かったかなぁって思ったり」



「後悔してるの?」



「そりゃあ、しますよ。だってフラれちゃったんですもん。これで付き合えていたらもう嬉し過ぎて大学中に言いふらしますよ。あたしの男の子だからねって」


話している時の花里は後悔していると言いながらも暗い顔をしているわけではない。告白をして結果を得たことに対するスッキリ感と結果がフラれるというものであったことの悲しさが同居しているのだろう。



「でも、そこまで暗い感じじゃない」



「それは…もう泣きましたから」



「泣いたの?」



「はい。さすがに葉山くんの見えるところでは泣きませんでしたよ。でも、家に帰ってからは思いっきり泣きましたよ。さすがにあの時の感情を吐き出さずに持ち続けるのは無理だと思ったので、この際、思いっきり吐き出しちゃった方がいいかもしれないと思いまして」


葉山の前で泣かないというのは彼女なりのプライドと相手への気遣いだ。フラれた瞬間に泣いてしまったら、葉山が気にする。自分の気持ちを伝えて、それが叶えられなかったら泣くというのはさすがにダメだと判断したのだ。



「…これからも葉山くんに声を掛けるの?」



「声を掛けちゃダメなんですか?」



「…いや、そういうわけじゃないけど、やっぱりフラれると声とか掛けずらいのかなと思って」



「まぁ…そうですね。今までのように声を掛けられるかって聞かれたら、むずかしいです」


フッた相手とフラれた相手が今まで通り話せるのかはそれぞれだが、少なくとも花里はなるべく態度を変えずに話し掛けに行くだろう。



「でも、あたしは葉山くんのことが好きなので。これからも葉山くんのことを探しちゃうと思いますし、話し掛けちゃうと思うんです。もしかしたら、葉山くんの方からしたら迷惑かもしれないんですけど」



「…そっかぁ……」


月森からすれば花里の行動は見習いたいと思いつつ、自分はそうなれないと思っているのだ。


ここでまた話が急に変わる。



「景都先輩は葉山くんのことどう思ってますか?」



「…ボク?」



「はい、どう思っているのかなって思いまして」



「……どうだろう」


月森が少し間を空けて答えたので、それに対して花里は追及する。



「本当ですか?」



「どういう意味?」



「いや、景都先輩と知り合ってまだそんなに経っていないですけど。景都先輩って『YES』と『NO』がしっかりしているのでそんなに風に濁すのは珍しいなって」


花里の言葉に月森も思う所があるのか、しばらくの間沈黙が続く。花里も沈黙を気にしていないようでお互いに自分の食事を食べ始める。



「…好きか嫌いかで言ったら、好きな方」



「そうですよね。女の子で男性が嫌いって人の方が珍しいですよ。誰だって夢物語かもしれないけど、結婚に夢見るものですし」



「…そうだね。ボクも結婚は夢見たかも」



「そうですよね!!そして近くに葉山くんという素晴らしい男性がいるんだから、告白しちゃうのは仕方ないです!」


近くに男性がいるだけで奇跡に近いような状況。そんな時に葉山のように女性を恐れないような男性が出れば、多くの人から好意を向けられるのは避けられないことだろう。



「それはそうかも」



「よかった。景都先輩もそう思ってくれて」


花里小夜と月森景都は昼食を食べながらそんな会話を繰り広げているのであった。

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