1話「転生ってやつ?」
こんにちはぁ!ピコピコでぇす!読もうと思ってくださり誠にありがとうございます!
俺は34歳小学教師の天木 亮太郎
今週末は進級式でまた一つ大人の階段を登る子供達を見る——はずだった
1話「転生ってやつ?」
「金曜日は進級式か〜楽しみだな〜」
そんな恥ずかしい独り言を小声で喋りながら街の大通りを歩く
今日は日曜だから人通りが多い。夕方だからかもしれない
スマホを見る者、疲れた顔で歩いている者
色々いる。子供達も似たような感じだ
前から一人のマスクを付け、黒いパーカーを着用している男が走ってくる
(怪しい感じの者だが…外見で決めたら教師失格だ)
少しだけ右に寄り、道を開ける
ぶすっ
何か鈍い音がする
「きゃ〜!」
俺を取り囲むように周りから悲鳴が上がる
(あれ?俺…なんかした…?)
手が腹の
腹に硬い棒がある
何だ…これ
そこでやっと理解する
自分が先程の男に刺されたのだと
そのことに気付いた瞬間、激痛が走る
「ぐっ…あがっ」
男が通り過ぎたのと3秒にも満たない時間だろう
そんな短い時間でも俺の中では10秒程に思えた
そして俺は炎天下の中燃やされ続けた熱いアスファルトの上に——倒れた
周りは真っ暗の闇
腹の痛みはもう無い。それどころか体が見当たらない。感覚も…全て
ボォッ
目の前に蝋燭のような弱い灯火が見える
その光は…ただ橙色ではなく、色がついている
光は少しずつ大きくなり、やがて俺の視線を覆い尽くすまでの大きさとなる
この大きさまでくれば…まるで俺がこの景色を見ているかのような感覚になる
そして、だんだん倒れる前と同じような感覚が戻ってくる
だがその感覚も元の身体と違うような気もする
やがて…その景色がはっきりしてくる
そこは…貴族が使うような豪華な部屋のようだった
感覚も戻り、自分が体の下にあるものはとてもふかふかだった
「はっ!」
完全に感覚が戻った。そう言ってもおかしくない程リアルだ
先程喋れたように過去の出来事のようなものではない
完全に俺の自由に体が動く
手も、足も、顔も。全て
これは…転生とかいうやつか?
コンコン
綺麗な部屋に扉のノックする音が響く
「アルシ様、お目は覚めたでしょうか…」
扉の向こうから聞こえるその声は、震えている。そもそも誰だ?
「え?あ、ああ」
応え方がわからないがこれでいいだろう
「え?」
?何だ…言葉が通じなかった?いや、こちらが解るなら相手にも解るだろう
さっきアルシ?とか言っていたが…この部屋には…
部屋を見渡してみる
俺以外誰もいない
俺のことだろう
となるとさらに『様』付けで呼んでいた…メイド的存在か?女性の声だったし…恐らくそうだろう
上から目線で喋ってもいいのか?とりあえずできる限りのことは…
「どうかしたか?」
「いえ、何でもありません」
おかしい…俺の言い方か?でも敬語を使われているからな…
こいつにとっては何かいつもと違う?
わからない…転生物ではお決まりの転生先の人物の記憶もない…どう接触すればいいんだ?
とりあえずベッドから降りて…ありゃ?目線がかなり低い
手のひらをみて気付く
俺…子供になってる?
よりによって転生先が子供〜!慣れてないし…声が高いとは思ったよ!
にしても…第二の人生か…いいな
まあ扉を開けるか
扉まで不安な足取りで歩いていく亮太郎…いや、"アルシ"
ガチャン
扉の空く音が部屋、そして外の廊下に響く
「ひっ…」
アルシの目の前にはメイド服、赤髪短髪、赤い瞳、メガネをかけ、胸の大きい(Eぐらい?)女性が立っている
やはり前にはメイドが立っている…が
なぜ「ひっ」なんて言った?
(殺される…今日こそ…昨日でさえ顔と体を殴られたんだから…)
——は?何だ今の…頭の中に直接届くような…こいつの心の声?だとしたら色々とやばくねえか?
「あ、あの…」
「はっはい何でしょう」
(やっぱり…今日が命日なのかな…)
そう…だよな、かなり怖がられてる
言ってみたのは言ってみたけど…なんて言おう…あ、そうだ
「名は何と言ったっけ」
「はいっ!?あ、アリス・リムでございます」
カタカナ…だろうなやはりここは異世界と考えていいのか?
(あ、あれ…殴られない…毎朝一発は殴られるのに…)
え!?衝撃の事実!
"アルシ"、どんな子なんだよ…
——1話 終——
読んでくださり誠にありがとうございます!他にも「"ビビーン!"ときたら絶対恋愛」と言うものも連載しています!ぜひ読んでみて下さい!ちなみに「"ビビーン!"ときたら絶対恋愛」の方でもこの作品「転生したら貴族だったとでメイドと旅に出ます。がんばるぞい!」は一応ちょろっと登場してますw
この作品はジャンルにもあった通り、人外、ハーレム、恋愛、魔法などあります!
ご愛読してもらいたら光栄です!
題名(転生したら貴族だったのでメイドと旅に出ます。がんばるぞい!)に全然合ってないストーリーですが、これからちゃんとしていく(?)と思いますんでお願いします。
では、また次の話で!(←ちなこれお約束)