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【コミカライズ配信中】プレアリス・オンライン ~天使ちゃんは毎日配信中です!~  作者: 旅籠文楽
1章 -

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30/248

30. 雑談生産(後)

 



+----+

シズ

  白耀(はくよう)族の聖翼種(テミュス)/能力倍率合計【125%】


   〔操具師〕- Lv.3 【65%】

  〔錬金術師〕- Lv.2 【60%】


  HP: 22 / 22

  MP: 39 / 39


  [筋力]  6  (5)

  [強靱]  8  (7)

  [敏捷] 33 (27)


  [知恵] 32 (26)

  [魅力]  7  (6)

  [加護] 35 (28)


-

異能(フィート)


 《操具術》《特性吸収》《落下制御》《呪詛無効》《天使の輪》


◇スキル - 56 pts.


 〈☆効能伝播Ⅰ〉〈○服薬術Ⅰ〉〈○食養術Ⅰ〉

 〈☆錬金素材感知Ⅰ〉〈○初級霊薬調合Ⅱ〉〈○植物採取Ⅰ〉

 〈○生産品収納Ⅰ〉

 〈☆聖翼種の浮遊能力Ⅰ〉


+----+




 レベルアップ後のステータスはこんな感じになった。

 HPが1点も増えていないのがちょっと残念だ。森での狩りでは、ゴブリンからダメージを負わされることもあったから。出来ればもう少しHPに余裕が欲しいんだけれど……。


 最大HPのために[強靱]を伸ばしたくなる欲望をぐっと堪えて、成長力は今回も[敏捷]へと割り振る。

 次回のレベルアップでは[知恵]を伸ばすことになるだろう。


 スキルポイントはレベルアップにより得られた分以外にも、デイリークエストや神殿クエストの報酬があったお陰で、『200』点以上貯まっていた。

 なので今回は新しくスキルを1つ修得するだけでなく、既存のスキルのランクも1つ伸ばしてみることにした。




+----+

〈○生産品収納Ⅰ〉


 自身が生産または加工したアイテムが『5』枠まで収納可能になる。

 このスキルで収納しているアイテムは状態が保存される。


-

〈○初級霊薬調合Ⅱ〉


 錬金術を用いてスキルランクに応じた初級霊薬を生産できる。

 初級霊薬を『4個』まで同時に生産できる。

 霊薬の生産成功率が『2%』向上する。

 生産した霊薬の品質値が『2』増加する。


+----+




 前者が新規に修得したもので、後者がランクアップさせたスキルになる。

 〈○生産品収納Ⅰ〉は自身の手で生産したアイテムに限り、『インベントリ』とは別の収納領域に『5枠』まで保管できるようになるスキルだ。

 このスキルには『アイテムの状態を保存する』効果が付いているので、収納しているアイテムは時間経過による品質劣化を回避できる。

 品質が自然劣化しやすい『ベリーポーション』の保管には、うってつけのスキルだと言えた。


 もちろん『インベントリ』には『40枠』までのアイテムしか収納しておくことが出来ないから、単純にそれとは別の収納領域が『5枠』増えるのも嬉しい。

 魔物から得られた素材や採取した素材、生産した霊薬なんかをどれもこれも収納していると、きっと『40枠』なんてすぐに埋まってしまうだろうしね。


 〈○初級霊薬調合Ⅰ〉はランクアップにより〈○初級霊薬調合Ⅱ〉に変化。

 これで初級霊薬なら一度に4個まで生産が可能になった。

 今までは2個ずつだったので、純粋に生産ペースが倍になったわけだ。


「よっし。レベルアップの作業も済んだし、どんどん作ろう」


《雑談生産の始まりじゃー!》

《カチコミじゃー!》

《タマとったるでー!》


「いや、そんな物騒な要素はどこにも無いからね⁉」


 思わず苦笑しながら、妖精の読み上げたコメントにシズはそう答える。

 この視聴者みんなのノリの良さは、一体どこから来るんだろう。

 とはいえ、お陰でこうして1人で作業していても淋しさを感じることが全く無いわけだから。間違いなくとても有難い存在ではあった。


「よっと」


 霊薬を4本分纏めて作るわけなので、水球のサイズは今までの2倍に。

 その中にシズはヒールベリーを2個投入する。水が2倍になれば当然、投入する素材も2倍必要になるからね。


「うーん……。生産中の『配信』って、どんなことを何を話せばいいんだろう? 見てくれてる人って、何か私に訊きたいこととかありますか?」


《そんなもん幾らでもありますよ!》

《いつから同性愛者なの?》


「あ、ゲームと関係無い話題なんだね。

 そうだね……割と最初の頃からだった気がするかな? 物心付いた時にはもう、お父さんよりお母さんのほうが好きだったし。小学3年生ぐらいの時に初めて好きになった相手も、女の子だったなあ」


《おお……。思ってた以上に純粋培養》

《男は好きにならないの?》

《男性は嫌い?》


「いや、全然嫌いではないよ? 学校でも男子とは普通に友達だし。

 でもまあ、好きにはならないかな。私が好きになるのはいつも女の子みたい」


《それ絶対相手の友達男子側は意識してるゾ》

《↑100%報われないとか悲しすぎやろ》

《女の子に取られて負けるなら、悔いはあるまい》


「いやいや、意識とかありえないって。私は美容とかにあんまり気を使うほうじゃないし、服とかも自分で買ったりせず、親が用意してくれたのをそのまま着ている感じだし。学校の成績も運動も、どっちも平均よりはいいかなって程度だよ?」


《そのぐらいの子が一番好かれるんだゾ》

《あんまり高嶺の花過ぎるよりは、そのぐらいの女の子に惹かれるよな》

《それに高校生ぐらいだと、いかにも『美容に気を使ってます!』って子よりは、無頓着な女子のほうが男子も好きだったりする》

《↑わかる。とてもよくわかる》


「そういうものなんだ? ……でも私は、女子に好かれるほうが嬉しいなあ」


《流石ですお姉さま!》

《クラスの男子諸君! 君達に望みはまったく無いぞ! 絶望しろ!》

《男子「あっあっ新たな性癖の扉が開いちゃう」》

《おう男子、こっちの世界に来いよ。楽になれるぞ》


「一体どこの世界なの……」


 視聴者が交わす言葉の意味が理解できず、シズは思わず苦笑してしまう。

 とはいえ判らないなら判らないなりに、聞いていて楽しいノリの会話だけどね。




+----+

▽『ベリーポーション/4個』の霊薬調合が完了しました。

 生産経験値:180/スキルポイント:4

+----+




 生産完了までのカウントダウンが終わった後に【魔術瓶封入】の魔法を行使すると、シズの手元に4本の霊薬が出来上がった。

 一度に4本ずつ作れるようになったことで、生産ごとに手に入る経験値が2倍に増えているし。また能力値が増えたことで、調合官僚までの所要時間も『6分28秒』から『6分10秒』まで短縮されている。


 お陰で生産経験値とスキルポイントがどんどん稼げるのが嬉しい。

 このペースなら〔錬金術師〕のレベルが『3』に上がる瞬間も近そうだ。


《ユーリちゃんに好かれてるみたいだけど、付き合わないの?》

《それは俺も思った》

《時代は『シズユー』ですわ!》

《いや、ここは『ユーシズ』で是非!》


「名前の順番に何の意味が……? ユーリちゃんとはもう長い付き合いがあるし、もちろん大好きだけど。でも、恋愛的な意味で『付き合う』ことは無いかな」


《え、なんで?》

《超お似合いなのに》

《年下は駄目なん?》


「年齢は全く気にしないかな。それにユーリちゃんは確かに小学生だけど、彼女と会話してると、むしろ自分のほうこそ子供だと思わされることが多いし……」


《確かにユーリちゃんは超大人びてる》

《小学生にわからされる高校生とか最高》


「私がユーリちゃんと付き合えないのは……。ちょっと言いにくいんだけど、私もユーリちゃんも、揃って『タチ』を自認しているからかな」


《ああ……それは難しいね……》

《カップリング上の問題かあ》

《タチって何?》

《↑女の子を可愛がる側が『タチ』で、可愛がられる側が『ネコ』》

《↑攻めが『タチ』で受けが『ネコ』》

《説明サンクス。なんでみんな当たり前のように知ってるんだ》

《常識》

《常識》

《常識だろ常識的に考えて》

《もはや義務教育レベル》


「いつのまに日本の義務教育はそんなことになったの……」


 妖精が読み上げるコメントに、シズは軽く頬を引き攣らせる。

 道徳の授業で『性的マイノリティ』についてぐらいなら教えることもあるだろうけれど。流石にそこまで突っ込んだ性的関係の解説はやらないでしょ。


『私はシズお姉さまが付き合って下さるなら、喜んでネコになりますわ♡』


「―――うおっ⁉」


 不意に、妖精が読み上げるコメントとは違い、脳内へ直接響いてくる声があったものだから。シズは声を上げて驚いてしまう。

 どうやら今のは『パーティチャット』による会話であるらしい。

 そういえばユーリとは、今もパーティを組んだままのような気がする。


『ゆ、ユーリちゃん。もしかして『配信』を見てたの?』

『はい♡ 製薬作業をしながら拝見させて頂いております♡』

『おおう……』


 つまり、先程ユーリのことを『大好き』だと告げた言葉も、しっかり彼女に聞かれていたわけだ。

 ……いやまあ、隠すような気持ちではないし。別に聞かれたからといって、それほど気恥ずかしさを覚えるわけでも無いけれど。


《タチとネコ! 何の支障もなくなりましたね!》

《これはもうカップリング成立ですよ》

《おめでとうございます!》


 パーティチャットの内容はそのまま配信されるので、ユーリの言葉を受けて俄に視聴者が騒がしくなった。


『うふふ、ありがとうございます♡』

『い、いやいや⁉ 問題はそれだけじゃなく、他にもあるんだよ。ユーリちゃんは確か以前にモノガミーだって言ってたよね?』

『はい、そうですね』


《百合紳士と淑女達よ、教えてくれ。モノガミーとは何だ?》

《↑同時に1人とだけ恋愛して付き合う人のこと》

《↑ちなみに、逆に『同時に複数と付き合う人』を『ポリガミー』と言う》

《サンキュー! だから何でお前らそんな詳しいの……?》

《常識》

《常識》

《常識だろ。日本書紀にもそう書いてある》


 マジかよ日本書紀って凄いね―――って、思わず突っ込みそうになるけれど。

 違くて。今は外野のコメントは別にどうでも良くって。


『えっと……で、これも前にユーリちゃんには言ったことがあると思うんだけど。私はポリガミーなんだよね。それも相手が女性でさえあれば、わりと誰のことでも好きになっちゃうようなレベルで、気が多い人間なんだよ?』

『はい。確かにそのお話は以前に伺ったことがあります』

『……じゃあ判るでしょ? 私とユーリちゃんじゃ上手くいかないよ』

『私は別に、シズお姉さまの『恋人の1人』程度で構いませんので♡』

『ええ……?』


 ―――よく判らないけれど、そういうことになった。

 ちなみに集中状態が大きく乱れて、シズは霊薬4本の品質をボロボロにした。





 

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お読み下さりありがとうございました。

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[良い点] お巡りさんこの人です! オフ会したら一発アウトな犯罪者はこちらですっ!
[一言] 品質君がボドボドに……www
[良い点] 更新乙い
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