表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/137

「龍の森」捜索其の捌


「なんだ.........何が起きているんだ......?」


 槍が何かを捕らえた直後、突然降って来た黒い炎に危うく燃やされかけ、さらに降って来た大量の雨によってなすすべなく地面に叩きつけられたガルーンは呆然としていた。


 耳に届くのはハンターたちの戸惑う声と、炎に触れてしまったものの悲鳴、そして、姿なきモンスターの呻き声も聞こえた。


「どういうことだ......?確かに当たったはずだ.....」


 ガルーンには何が起きたのか分からなかった。


 

 ただ一つ言えることは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という事だけだった。


「.....いかがいたしましょうか、ガルーン様。こちらにいては危険です。想定外の事態ですので、いったん退いたほうが.....」

「それはだめだ!二度もあやつに負けるなど、このガルーンのプライドが許さぬ。」


 退くのは簡単だ。兵士の持つ撤退を知らせる笛を吹き、全軍を森から非難させればいい。緊急事態であるから、理にかなった行為だ。



 しかし、()()()()()それでいいかもしれないが。()()()()()違う。

あの「銀槍」がまた龍に負けたのだ、と蔑まされるのは目に見えていた。



「たかが雨だ。触れても死なぬ。もう一度、もう一度あやつに攻撃を......」



 ガルーンがそう言った時、地面に一筋、銀とも白ともいえぬ色の光が走った。


 ガルーンの周りだけではない。他のハンターのたつ場所、否、森全体に次々と光が走り、地面がきらきらと輝いた。





「あの......これ、何なんでしょう?」


 その光は、魔術を幾重にも巡らせて必死に水と炎に耐える6人のハンターにも見えた。


「......線、と言うよりは、何かを描いているな。これは......」


 弓使いのハンターが光るそれに近付き、目でその線を追った。


「森全体に続いているな..?しかも丸みを帯びている......」


「まさか.........魔法陣か?!」


 丸く、やたらと線が多い物。弓使いのハンターの脳裏には、魔法陣しか思い当たる物がなかった。



「魔法陣だって?!こんな大きなものが?」


 その言葉にローブを纏ったハンターも反応した。


「確かにそうだが......相棒、確認してくれ。魔法陣だったら、事が事だ。」


 相棒に言われたローブを纏ったハンターは、「千眼」、と唱え、森全体を見渡した。




「.........」

「どうした?.........!!」



 弓使いのハンターが尋ねようと口を開いた時、今までに聞いたことが無いほどの轟音が、その場にいた6人の耳に届いた。




「まずいっ!........『赤い糸』、『黄昏の道』っ!」


 ただならない何かを感じ取った弓使いが、緊急脱出のための呪文を唱え、6人を森の外へと運んだ。



 



 そしてそれは、森が大きな銀白の何かで包まれた瞬間と、ほぼ同時だった。

次回の更新は3週間後になると思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ