表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/137

限界と回復


「さあさあリリス坊!やってやろうぜ!」

 自分はやらないくせに嫌にハイテンションだな。

「オーガもがんばる!」

 オーガは結界破らない程度に頼む。


「......よし。」

 俺は眼前にある水竜と炎鳥を交互に見た。まずは先制攻撃をしたほうがいいのか?それとも様子を窺った方が......?



「......まあ、やってみるか。」

 取り敢えず俺は竜に炎鳥を攻撃させた。


「グエッ......?」

 俺の意思によって動く竜は、すぐさま炎鳥に絡み付き、その体を切り裂いた。


 流石、水だけあって姿かたちが自在に変えられるんだな。これは少なからず炎鳥にもダメージがあるのか?



「リリスぼー!そいつ、回復できるからなー!気を付けろよー!」

 

 シャトーの言葉に炎鳥を見ると、確かに傷が消えていた。それどころか、明らかに怒らせたらしく、攻撃の態勢を取り始めた。



 そういうことは先に言え。



「......っ盾!」

「オーガ、相殺してやれ!」

 魔力を炎に変えているのか、温度が一気に高くなった。俺は竜を盾に変え、オーガはさらに被害が出そうな形で応戦した。


「うわっ!......すごいな。」


 炎鳥の攻撃は囂々と音を立てながら、展開した盾によって弾かれ、オーガの炎によって無力化した。


「とんでもないなあ!負けることはないが、結界がもつかどうかだな。」

 そんなヤワな結界を張らないでくれ。



「負けることはない、と言うのは?」

「力的にはオレ達が勝っている。だが炎鳥(あいつ)は回復持ちだ。何かこう、決定的なやつを与えるか、回復をどうにかしないと持久戦になっちまう。そうすると結界にダメージが蓄積してだな......」

「......『咆哮』っ!」


 会話中もお構いなし、と言わんばかりに炎鳥が咆哮した。反射神経が鍛えられそうだ。


「まあ、壊れちまうんだ。何とかして短期決戦に持ち込めないか?」


 結界が壊れるのはまずいな。燃えやすい物しかない森に炎が降り注ぐのは想像もしたくない。

 短期決戦に持ち込むには、あの回復を何とかしなければならない。この間にもオーガが溢れんばかりの炎をお見舞いしてるが、同属性で相性が悪いのか、ほとんど回復されている。このままちまちま削っていたら、確かに結界も壊れそうだ。



「この竜が魔術を撃てれば、かなりの攻撃力が期待できるのだがな.....」

 

 こいつは水神の一部だけあって魔力も俺をはるかに上回っている。こいつに俺が使っている魔術が使わせることができれば、威力は期待できる。


「ふむ.....なんか憑依できそうなやつはないか?闇魔術とか、黄泉魔術とか.....医療系であるんじゃないか?」

 

 俺も自分が知っている魔術をできる限り探した。なにかこう、人を操れる魔術はなかったか?



 シャトーが言ったように医術魔術の中にあるかもしれないと必死で考えた。



「......あ。」

「あったのか?!」


 俺の頭に一つ、該当する魔術が浮かんだ。


 ただ、その魔術は強い魔力の塊(水竜)に効くかどうかは分からない、微妙な代物だった。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ